北朝鮮、核ミサイル「連続挑発」の裏で事故多発、犠牲者も

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朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は9月25日から10月9日まで、戦術核運用部隊の軍事訓練を実施。日本列島を飛び越える形で中距離弾道ミサイルを発射し、朝鮮半島近海に展開した米空母機動部隊を迎え撃つかのような構えも見せた。

同時に6日と8日には、長距離砲部隊と空軍による大規模な火力演習も行った。朝鮮中央通信は、「朝鮮東海に再進入した米海軍の空母を含む連合軍海軍の海上連合機動訓練が強行されている情勢の背景の下で、史上初めて150余機の各種戦闘機を同時に出撃させた朝鮮人民軍空軍の大規模航空攻撃総合訓練」と報じている。

北朝鮮の空軍力はきわめて脆弱だ。燃料不足によりパイロットの練度が足りていないとされ、航空機の老朽化も深刻な水準にある。

そんな状況下で150機もの航空機を一度に飛ばすとは驚きだが、案の定と言うべきか、やはり事故が多発していたようだ。

韓国の民放SBSによると、韓国軍は、実際には動員された航空機は100機ほどだと見ているという。脅威度を上げるため、北朝鮮が機数を水増しして発表した可能性があるということだ。

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また、離陸した戦闘機のうち少なくとも1機が墜落し、トラブルのため途中で着陸したり、離陸できなかったりした航空機もあったという。

北朝鮮の軍事訓練では以前から、この種の事故が多発してきた。弾道ミサイルの開発段階では、試射に失敗したミサイルが爆発し、多数の死傷者が出たとの情報もある。また一度は、ミサイル発射時の火炎に巻き込まれた兵士とされる映像が、メディアにより取り沙汰されたこともある。

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特に空軍は、飛行することそのものがパイロットにとっては「命がけ」だと言われている。2019年11月には、北朝鮮で初めて女性として超音速戦闘機のパイロットとなり、金正恩総書記の寵愛を受けたリム・ソルさんが事故死したと伝えられた。

もっとも、北朝鮮がひとたび弾道ミサイルや空軍機で韓国などを攻撃すれば、当該部隊はまず間違いなく、米韓軍の反撃で壊滅するだろう。そういう意味では、北朝鮮軍の将兵にとって軍事訓練の行き着く先は、いずれにせよ「破滅」でしかないと言えるかもしれない。