北朝鮮「令嬢カップル」を公開処刑…許されざる”二つの罪”

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北朝鮮のデイリーNK内部情報筋によれば、最近、管理所(政治犯収容所)に新たに収容される人の数が増える一方で、施設によって増減がまちまちだという。つまり、増えたところもあれば、減ったところもあるということだ。

まず、収容者が全体として増えているのは、新型コロナウイルス防疫関連規則や、「韓流取締法」とも呼ばれる「反動的思想・文化排撃法」の違反者が急増しているためだ。

いずれの違反者も、収容所に送られるのみならず、死刑が執行されるケースもある。

たとえば今年1月、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)で、20代の男女のカップルが公開処刑された。刑場では、数百人がその様子を見守ったという。

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2人は韓流コンテンツを密売していたことが発覚し、「排撃法」違反が適用されたのだ。女性の方は道保衛局(秘密警察)の政治局長の娘という、いわば「幹部令嬢」だったが、罪をもみ消すこともできなかった。

一方、防疫規則違反では、ルールを破って中国との国境に接近したり越境しようとしたりした密輸業者や一般人、また彼らを止められなかった国境警備隊員までが処刑されている。

だが、処刑を免れたからと言って、一命を取りとめたとは言えない。管理所の施設ごとに収容者の増減がまちまちである理由について、情報筋は次のように説明している。

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「合計人員(収容者)が増えたところは、伝染病、飢餓、処罰で死亡した人が少ないところで、減ったところは、死亡した人が大幅に増えたのだ」

なんとも身の毛もよだつ現実と言うほかない。

ちなみに、国家保衛省(秘密警察)の今年上半期の調査によると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)の25号管理所の収容者数は、書類上は4万9000人だが、実際は3万6000人だ。デイリーNK取材班の昨年の調査では4万1000人。1年で5000人が減った計算となる。

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一方、16号管理所の場合、昨年は2万4000人だったのが、今では2万8700人で、4700人増えている。このように収容者が増えているのは16号と、黄海北道(ファンヘブクト)の平山(ピョンサン)の管理所だけで、他では減っている。

情報筋によると、反動思想文化排撃法違反で収容された人の数は、17号管理所で700人、25号管理所で1000人に達する。それに加えて、家族が脱北した人や、不穏な噂を流した人のうち、成分(身分)の悪い者を月に5世帯収容せよとの方針が下された影響で、収容者がさらに増えた。

また、成分の良好なエリートでも捕まる人が相次ぎ、携帯電話で党、政府、軍の機密を外国に流出させた者や、内閣臨時常設委員会の経済政策担当者10人は、「マルパンドン」(反政府的言動)で25号管理所に入れられたとのことだ。