国連軍が不満を爆発させていた文在寅の「騙し打ち」

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韓国の文在寅前政権が2019年に亡命を求めた脱北漁民2人を板門店から北朝鮮に強制送還した事件を巡り、板門店を管轄する国連軍は当時、同政権によって「騙された」とする証言が出た。

国連軍の司令官は米韓連合軍司令官を兼務するアメリカ軍人であり、米軍と「ほぼ一体」と言っても言い過ぎではなかろう。

板門店から脱北者を送還するには、国連軍の承認が必要だ。2019年当時、国連軍が強制送還を承認していたかどうかは、ことの本質を知る上で重要な要素と言える。

文在寅政権は当時、漁民2人が船内で同僚の乗組員16人を殺害し、逃亡していた事実を北朝鮮側の通信を傍受するなどして把握。国内に迎えることはできないと判断し、送還を決断したと説明していた。しかし、それは強制送還がメディアによって偶然、露呈してからの話だ。送還すれば拷問や処刑が確実視される状況で、同政権は水面下でことを進めた。

実際、2人は送還後に処刑されたという。

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それでも、板門店を通らねばならぬ以上、国連軍に黙ってことを進めることはできない。結果的に強制送還が実行されたことは、国連軍の承認があった可能性をうかがわせた。

だが、現与党「国民の力」所属で国会情報委員のハ・テギョン議員は28日に出演したラジオ番組で、韓国赤十字が国連軍司令部に送った板門店出入許可申請の理由には「北韓住民送還」とだけ書かれていたという。板門店では過去にも、漂流船舶の船員など自発的に帰国を希望した北朝鮮住民の送還が行われている。そのため国連軍は、文政権によって「騙されたのだ」とハ氏は言う。

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実際、件の漁民らが腰縄などで拘束され、目隠しされた状態で現場に着くや、国連軍は強力に抗議。それにより、拘束と目隠しは外された。その後の一時期、韓国政府で脱北者を管轄する統一省と国連軍司令部は、非常に険悪な関係になったという。

それにしても解せないのは、文政権がこうまでして強制送還を急いだ理由だ。原則通り、関係機関による尋問や捜査を行い、凶悪犯であることが確認されたらそれを国民に周知して解決策を探っていれば、今になって問題になることもなかった。

しかも、北朝鮮側からは、早期引き渡しの要求があったわけではないという。

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この問題、どこかにまだまだ大きなウソが隠されているようでならない。