金正恩の幹部教育「処刑直前ビデオ」の戦慄場面

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文在寅前政権が2019年に亡命を求めた脱北漁民2人を、板門店で北朝鮮に強制送還した事件を巡り、韓国統一省は18日、送還時の様子を収録した4分ほどのビデオ映像を公開した。

同政権は当時、漁民2人が船内で同僚の乗組員16人を殺害し、逃亡していた事実を北朝鮮側の通信を傍受するなどして把握。国内に迎えることはできないと判断し、送還を決断したと説明していた。

しかし最近になり、2人に対する調査が異例に短時間で打ち切られていたことなど、様々な疑問点が浮上。統一省も当時の対応に問題があったこと認めたうえで、映像を公開した。下の写真は、やはり同省が公開したもので、映像と同様の場面を記録したものだ。

送還されたら、拷問され処刑されることは誰にでもわかる。映像と写真を見ると、漁民の1人は恐怖心を全身から発散し、渾身の力で送還に抗っている。見るに堪えない光景だ。2人は送還から間もなく処刑されたという。

韓国デイリーNKの北朝鮮内部情報筋によると、北朝鮮当局はこともあろうに、この映像を幹部たちに対する思想教育に使用しているという。韓国当局が公開した映像をすぐさま「活用」するというのは、最高位クラスの決済なしにはできないことだ。金正恩氏が直々に、お得意の「残酷ショー」の演出に乗り出した可能性もある。

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情報筋によると、北朝鮮当局は19日午前、国家保衛省(秘密警察)と社会安全省(警察庁)、軍保衛局、検察所などの主要な権力機関の部長級以上の幹部に対し、映像視聴を含む思想教育に参加せよとの緊急指示を下した。

2019年11月7日、脱北した漁民の1人が板門店で韓国側から北朝鮮側に強制送還される様子(韓国統一省提供)
2019年11月7日、脱北した漁民の1人が板門店で韓国側から北朝鮮側に強制送還される様子(韓国統一省提供)

実際の思想教育では韓国側の公開映像だけでなく、北朝鮮側が板門店で撮影した映像も見せられたという。

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北朝鮮側がこのように迅速な動きを見せた背景には、韓国側の映像公開を受けて、国内で噂が拡散するのを嫌ったこともあったかもしれない。曖昧な噂が広がるのを許すよりは、思想統制に利用してやろうというわけだ。

実際、韓国側で12日に写真が公開された直後、外部情報が流入しやすい中朝国境地帯ではあっという間に噂が広がったとされる。

そして、このような事態を受けて作成された国家保衛省の教養(教育)資料には、「南朝鮮(韓国)に行った民族反逆者たちが、結局は南朝鮮の手により帰ってきた」と記述されているという。

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情報筋はこれついて「祖国を裏切れば、南朝鮮に行ったとしてもこうして祖国に連れ戻され、結局は処刑されるということを見せつける最も強力な教育資料だと言えるだろう」と語っている。