同通信の報道全文は次のとおり。
何を狙った合同軍事演習なのか
【平壌6月29日発朝鮮中央通信】国際政治研究学会研究者のリ・ジソン氏は、「何を狙った合同軍事演習なのか」と題する文を発表した。
その全文は、次の通り。
米国が8月中にハワイで日本、南朝鮮などと共に「パシフィック・ドラゴン」連合訓練を強行しようとしている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「パシフィック・ドラゴン」訓練は、米国が「弾道ミサイル探知・追尾能力を熟達する」という美名の下に日本、南朝鮮を引き入れて繰り広げてきた訓練として多くの場合、非公開に行われてきた。
しかし、去る6月11日、米国と日本、南朝鮮の軍部かしら間の会談では「米国・日本・南朝鮮の安保協力をさらに強化するために弾道ミサイルの探知・追尾訓練を定期的に、公開的に行うこと」を決定したし、今年、「パシフィック・ドラゴン」訓練の時期と内容を事前公開することはもちろん、訓練の全過程についても公開することにした。
これだけではない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面米国は、今まで間欠的に行われてきた米国・日本・南朝鮮ミサイル警報訓練も四半期ごとに一回ずつ定期的に、公開的に実施することにした。
これは、米国が日本、南朝鮮を軍事的に掌握するための策動にいっそう露骨に、ヒステリックに執着しているということを示している。
米国がアジア太平洋地域諸国の初歩的な安全上の要求と懸念を無視して手先らとの軍事共助に熱を上げているのは、久しい前から夢見てきた米・日・南朝鮮3角軍事同盟を実現して対朝鮮侵略の準備を完成するとともに、中国とロシアをはじめとするライバルを制圧し、世界制覇の野望を実現するためである。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面第2次世界大戦直後から米国は、米・日・南朝鮮3角軍事同盟の形成を対アジア戦略の中核と位置づけ、米・日安全保障条約、米国・南朝鮮「相互防衛条約」の締結によってその基礎を築いたし、日本と南朝鮮の軍事的協力を促して3角軍事共助体制の構築に狂奔してきた。
米国務長官であったダレスが早くも日本と米国、台湾と米国、南朝鮮と米国の間に存在する個別的な双務条約をいかなる形態であれ一つに結合すべきであると主張した事実は、久しい前から米国が米・日・南朝鮮3角軍事同盟の形成のためにどんなに苦心してきたのかを実証している。
米国のこのような野望は、日本で防衛費の増額と「敵基地攻撃能力」の保有を公然と主張する岸田政府が就任し、南朝鮮で反朝鮮対決を唱えている親米、親日保守勢力が権力の座に就いたことを契機にいっそう露骨になっている。
最近、米国が米・日・南朝鮮3者安保協力をうんぬんしながら日本・南朝鮮軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常履行についていつよりも大げさに言い立てていることもこのような企図から発したものである。
米国に対する日本と南朝鮮の盲目的な追随によって加速化している米・日・南朝鮮3角軍事同盟つくり上げ策動は、明白に「アジア版NATO」創設のための危険な前奏曲である。
自分らの価値観に応じた一方的な国際秩序を樹立しようとする米国の策動によってアジア太平洋地域には「新冷戦」の時代が到来しており、力と力が激突する先鋭な対決構図が形成されている。
米国の軍事的妄動は国際社会の糾弾と排撃を免れない。
中国をはじめとする地域諸国は、米国のこのような振る舞いを無分別な筋肉示威に、力のバランスを崩そうとする危険な試みと非難している。
米国の無謀な軍事的挑発行為によって招かれているアジア太平洋地域の緊張激化は、一次的に朝鮮半島の情勢に否定的影響を及ぼすことになっている。
米国が対中国抑止を標的とするインド太平洋戦略を作成しながら不当極まりなくわが国をいわゆる「地域の不安定を生じさせる主要脅威」として特別に規定したため、アジア太平洋地域で米国と日本、南朝鮮が繰り広げる合同軍事演習は何よりもわれわれを狙っていると言える。
南朝鮮の保守メディアが「パシフィック・ドラゴン」訓練の目的がわれわれの「弾道ミサイルの脅威」に対処することにあると世論化していることを通じても今回の合同軍事演習が明白にわれわれを標的としており、力でわれわれを圧殺しようとする米国の対朝鮮敵視政策がさらに危険な段階へ進化しているということがよく分かる。
現実は、われわれをして国家の自主権と人民の安泰を守るための自衛的国防力の強化に万全を期することを切実に求めており、アジア太平洋地域諸国の警戒心を呼び起こしている。
アジア太平洋地域で急増している米国と追随勢力の無分別な軍事的対決騒動は墓穴を掘る破滅的な結果だけを招くようになるであろう。---