「一家全滅、10人餓死」も…金正恩“封鎖解除”のウラで何が

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、同日開催された朝鮮労働党中央委員会政治局協議会で新型コロナウイルス対策が話し合われ、「全国的範囲で伝染病の拡散状況が統制、改善されていることについて肯定的に評価し、防疫の初期に積んだ経験をより強固にし、防疫戦況を引き続き安定、向上させていくための問題を討議した」と伝えた。

これを受け、韓国の主要メディアは平壌の封鎖が解除されたとする中国消息筋の情報も交え、北朝鮮が近く、新型コロナ対策の都市封鎖を解除するのではないかとする見方を報じた。

実際にどうなるかは今後の推移を見守るしかないが、あまりに厳しい封鎖を長期にわたり続けるわけにはいかない事情が、現地にはあるようだ。

北朝鮮は、国内で新型コロナ感染者が発生したことを認めた2日後の14日、全国に対して封鎖令(ロックダウン)を敷いた。一切の外出が禁じられ、市場の営業も停止させられた。

北部の両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)でも14日から無期限のロックダウンに入ったが、現地のデイリーNK内部情報筋によると、封鎖はわずか10日で解除されてしまったという。

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恵山市内ではコロナ防疫封鎖が少し緩和されたと述べた情報筋は、24日からは外出が許され、町内なら出歩くこともできて、近隣の売台(露天商)でちょっとした商品も購入できるようになったとも伝えた。

14日から23日までは、国の方針にしたがって一切の外出が禁止されたが、高熱に苦しむ人は薬も買いに行けず、あらかじめ食べ物の備蓄がなかった人は飢えに苦しむこととなった。

市内の馬山(マサン)2洞と3洞では14世帯、21世帯、春洞(チュンドン)では12世帯、恵花洞(ヘファドン)では7世帯などで、住民が倒れた状態で発見された。そのうちの相当数が餓死したという。

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市内のある洞事務所(末端の行政機関)には、一人の女性が訪ねてきて、こう訴えた。

「10歳の息子と夫が飢えて倒れた」
「カネもコメもなく、食べさせられるものが何もない」
「伝染病が恐ろしいのではなく、食べられずに息子と夫を餓死させてしまうかもしれないことの方が恐ろしい」

恵山では2020年8月から昨年3月にかけて、合計4回のロックダウンが実施されているが、餓死者が続出したために市民の不満が高まり、地元当局ですらロックダウンに異を唱える状況となった。昨年3月のロックダウンはわずか1日で解除されている。

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2020年11月には咸鏡北道(ハムギョンブクト)で、4人家族1組と3人家族2組の計10人が餓死したと伝えらえている。いずれも一家全滅だった。

こうした非人道的な封鎖が繰り返された事実は、北朝鮮当局が国民の生命より、体制の安定を優先していることの証左と言える。

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ただ、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」での経験が物語るように、限界を超えた飢餓は体制を不安定にしかねない。北朝鮮当局も大量の餓死者が出たり、一家全滅のような悲劇がたびたび繰り返されたりすることには、懸念を覚えているのかもしれない。

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