「コロナより恐ろしい」金正恩に危機も、大都市で餓死者発生

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中朝貿易の7割の経由地と言われている、北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)。大通り沿いにはトンジュ(金主、新興富裕層)の投資で建てられた高層マンションが立ち並び、地方都市としてはかなり豊かなところと言われている。そんな新義州で、ついに餓死者が出てしまった。

農村地帯を中心に、食糧が底をついた「絶糧世帯」の増加が伝えられているが、市場で商売して現金収入を得られる都市部では、そこまでの状況ではなかったはずなのに、一体どういうことなのだろうか。現地のデイリーNK内部情報筋が詳細を伝えた。

(参考記事:「半数の世帯で食べ物がない」北朝鮮から聞こえてきた断末魔

情報筋は具体的な数字は示していないが、市内で餓死者が発生しており、1家庭で3〜4人が空腹のために倒れてしまう家が1軒や2軒ではないと伝えた。餓死者が出たのは2月1日の旧正月以降で、昨年は郊外の農村で餓死者が出ていたが、今年は比較的経済状況のよい市内で餓死者が発生したことから、市民の間では恐怖が広がっている。

市内中心部の外縁の敏浦洞(ミンポドン)から新市街地の南新義州(ナムシニジュ)にかけて、餓死者が出たとの話が聞こえているとのことだ。この地域は市内中心部とは異なり、自宅の庭で野菜の栽培ができる空間的余裕のあるところだったが、そんな地域でも餓死者が出るほど、食糧難が深刻だということだ。

かつてなら、鴨緑江に魚捕りに行ったり、山に山菜採りに行ったりして食べ物を調達していたが、コロナ禍で国境警備が強化され、川に近づくことも禁止され、移動そのものが統制されたことで、食糧難に拍車がかかった。

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(参考記事:北朝鮮国民が目を背ける「見せしめ射殺体」の衝撃の現場

「コロナより恐ろしいのが餓死だ」(新義州市民)

1月に運行が再開された貨物列車で、食糧を含めた様々な物資が新義州に入るようになったはずだが、市民への配給は行われていないようだ。食糧を満載した貨物列車を、市民は指をくわえて見送るしかないのだろう。

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そして、こうした状況が今後も進行するなら、金正恩体制が危機的な状況を迎えることもあり得る。

(参考記事:北朝鮮、輸入品を消毒する大規模防疫施設を増設へ