孤立プーチンに金正恩が呼びかける「敗者連合」の魂胆

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北朝鮮の内閣などの機関紙・民主朝鮮は17日、旧ソ連との間で1949年3月17日に締結され、ロシアに引き継がれた「朝露経済的・文化的協力に関する協定」73周年に際して個人名の論評を掲載し、ウクライナ侵略で国際的に孤立するロシアとの連帯を強調した。

北朝鮮は「5周年」や「10周年」といった節目の年を重視する傾向が強いことを考えると、このタイミングで敢えてこうした論評を出したのは、ロシア支持を鮮明にする目的があると考えるべきだろう。

ただ、ロシアの敗色が濃厚であるとする見方が増える中、経済的に貧窮する北朝鮮からの声援が、プーチン政権にとってどれほど助けになるかは不明だ。両者がいくら結びつきを強めたところで、単なる「敗者連合」になりかねない。

もっとも、ロシアにとってはそうであっても、北朝鮮にとってロシアは重要であり続けると言えるかもしれない。サイバー攻撃や兵器開発においてロシアは、北朝鮮にとって欠くことのできない重要拠点だからだ。

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また、いずれ国際的に重要な位置を占めたいと考えているフシのある金正恩総書記にとって、たとえ悪者であっても存在感の大きなプーチン氏とのつながりは大事だろう。

論評は「近年、朝露親善関係は両国首脳の対面をきっかけに新たな高い段階に至った」と指摘。2019年4月の金正恩総書記の訪露に触れ、次のように述べている。

「金正恩同志とプーチン閣下は会談で相互理解と信頼、親善と協調をいっそう増進させ、新たな世紀を志向する朝露親善関係を前進させるための具体的な方向と措置について合意し、当面の協調問題について真摯に討議した。両国首脳による歴史的な出会いと会談は、戦略的かつ伝統的な朝露親善の紐帯をいっそう強化する上で意義深い契機となった」

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論評はさらに、「今日、帝国主義者たちの強権と専横を叩きつぶし、国の自主権を守る道で両国人民は共同歩調を合わせ、支持と連帯を強化しており、この道における親善の紐帯はいっそう強化されている」と主張。

また、「朝露親善関係を絶え間なく強化発展させることは、両国人民の志向であり、これは地域の平和と安全保障、発展で重要な位置を占める」と強調している。