3千人集め公開処刑…北朝鮮「将軍と赤い貴婦人」の危険な情事

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先月15日午前10時、北朝鮮の首都・平壌郊外の兄弟山(ヒョンジェサン)区域の市場の近くの堤防で、公開銃殺が行われた。

処刑されたのは7総局の政治委員で52歳のリュ少将。今回の処刑にはどのような背景があるのだろうか。平壌のデイリーNK内部情報筋が詳細を伝えた。

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北朝鮮で住宅建設を行うには、トンジュ(金主、新興富裕層)からの投資を募り、資金を集めた上で建設を行い、投資の見返りとしてマンションの部屋を受け取ったトンジュは、販売して利益を得るという仕組みが使われている。

建設計画の立案は国が行うが、実際は世帯数を示すだけで、設計を含めた建設のすべては軍の建設部隊に一任される。建設部隊の責任者、指揮官、朝鮮労働党のイルクン(幹部)は、国の承認を得ないまま、マンションの構造を変えて部屋数を増やす手法でカネ儲けを行ってきた。

中でもリュ少将は、顔面情実(学縁、地縁などのコネ)のあるトンジュから投資を募り、マンション販売を行って私腹を肥やしてきたという。情報筋の説明では一般の手法との違いがわからないが、当局から目をつけられるほどエゲツない手法を使っていたのだろう。

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それだけではない。

「リュ少将には複数の愛人がいて、万景台(マンギョンデ)区域の祝典洞(チュクチョンドン)に彼女らと会うための場所まで設けていた」(情報筋)

ところが、こんな安物のドラマを彷彿とさせるような出来事が起きてしまった。

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「そこで20代後半の女性と共にいたところに、別の愛人の30代半ばの女性がやって来て、関係が『バレた』。怒った30代女性は、中央党(朝鮮労働党中央委員会)の信訴処理科第2窓口にリュ少将に対する信訴を起こした」(情報筋)

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信訴とは、理不尽な目に遭った国民が中央に訴える「目安箱」のようなシステムだが、途中で妨害されたりもみ消されたり、或いは加害者から逆襲されたりしないように、強力なコネを使うなどの「事前工作」が必要だ。ところが、今回はその必要がなかった。

信訴を提起した30代女性は、軍の護衛司令部傘下の東洋タバコ会社に対する巨額の投資を行っているトンジュで、護衛司令部の幹部を務めた家族を持つ、成分(身分)の申し分ない「赤い貴族」だったのだ。

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彼女の復讐は、リュ少将の処刑で幕を閉じた。処刑は、建設部隊である朝鮮人民軍(北朝鮮軍)7総局の幹部やその家族、「平壌市1万世帯住宅」建設計画に動員された建設部隊の兵士ら3000人が集められた上で行われたという。