人間が跡形もなく…米国にバレている金正恩氏の残虐行為

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北朝鮮外務省は2日、報道官談話を発表し、米国務省が北朝鮮の人権状況を批判したのは金正恩総書記に対する「冒涜(ぼうとく)」だとして強く反発した。

米国務省のプライス報道官は先月28日、韓国で脱北者や複数の民間団体が北朝鮮の人権状況を広く知らせるために毎年行っている「北朝鮮自由週間」に合わせて声明を発表。北朝鮮が新型コロナウイルス対策として中朝国境の無断侵入者を射殺するよう命じたことに「驚愕している」としながら、北朝鮮当局による人権侵害について「金正恩体制に説明責任を果たすよう求め続ける」と述べている。

北朝鮮にとってこの声明は、二重、三重に腹立たしいものに違いない。まず、金正恩氏は人権侵害で追及を受けることを最も嫌う。北朝鮮にとって核開発は、条件次第では一時停止したり放棄したりできるものだ。そうすれば国際社会から、大なり小なりの対価を期待できる。しかし人権問題はそうはいかない。今すぐに政治犯収容所を閉鎖しても、そこですでに行われた残虐行為の責任はなくならないからだ。

また、金正恩氏は国内での新型コロナの感染拡大を抑え込んだとして、それを自らの業績のひとつにしている。それを、米国務省の声明は全否定した形だ。プライス氏が、北朝鮮の「人命無視」のコロナ対策に驚愕するのは当然のことだが、同国の人権問題ではもっと驚愕すべきことがたくさんある。

例えば、人体が原型をとどめないほど残虐な方法を用いる「金正恩式」の処刑は、その状況が衛星写真に撮られており、すでにバイデン政権の担当者たちも目にしていることだろう。

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2014年10月、平壌に近い姜健(カンゴン)総合軍官学校を撮影した民間衛星の写真を見ると、広場に何らかの物体10個が一列に並べられている。それに向かって6基の高射銃が並べられていて、その後ろには、射撃の様子を観察するためと見られる場所が設けられている。

(参考記事:【写真】玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…

この画像を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に提供した米北朝鮮人権委員会(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長によれば、「対空機銃を使って公開処刑を行っている状況に間違いない」と語っている。

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そして、アジアプレスは同年10月、北朝鮮の内部情報に基づく「平壌で労働党幹部を集団銃殺か 金正恩氏の指導に違反」と題した記事の中で、10人の労働党幹部が同軍官学校で処刑されたと報じており、HRNKの分析と時期的に符合するのだ。

このような客観的証拠を目にしながら、バイデン政権が人権問題で北朝鮮に妥協する余地はほとんどないだろう。

北朝鮮外務省の談話は、「米国がわれわれの思想と体制を否認し、『人権』を内政干渉の道具に、体制転覆のための政治的武器に悪用して、『断固たる抑止』でわれわれを圧殺しようとする企図を公開的に表明した以上、われわれはやむを得ず、それ相応の措置を取らざるを得なくなった」とし、「われわれの警告を無視して軽挙妄動したことを必ず、必ず後悔するであろう」と主張した。

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この激しい反発ぶりの裏には、米国を譲歩に追い込める可能性がほとんど存在しないことを悟った上での後悔ではないのか。そして願わくば、金正恩氏がこれまで犯してきた人権侵害について、わずかでも後悔していれば良いのだが。