「金正恩の別荘」で銃撃戦…警備隊の大尉がブチ切れ凶行

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北朝鮮には「特閣」なるものがある。金正恩総書記やその一族だけが利用できる別荘だ。その数は北朝鮮全国で30カ所とも言われるが、最も重要視されるのは首領(最高指導者)の安寧とそれを戴く国家体制の維持であるお国柄で、近づくことも知ろうとすることも許されない。

そんな特閣を警備する人員は、家族との連絡も自由にできないなど、特別な管理下に置かれる。もちろん、思想の乱れなど一切許されない。それは逆に、彼らにとてつもなく高いプライドをもたらすことだろう。そして、それが汚された反動は非常に大きなものになる。

デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の高位情報筋は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の鏡城(キョンソン)で起きた重大事件について伝えた。

事の発端は先月末に起きた出来事だ。警備を担当する879旅団の某中隊の下戦士(二等兵)が、昼食時間になっても部隊に復帰しなかった。外出許可を出したのは、中隊長の大尉だ。これに対して中隊長と犬猿の仲だった中隊の政治指導員(上尉、大尉より1階級下)が「国家非常防疫期間中に率先して無規律を煽っている」として、政治部に報告した。

翌日、政治部に呼び出された中隊長は「指揮官として無責任」だと批判され、今月に入ってから、旅団の大思想闘争会の批判舞台に立たされた。自己批判をした上で、同僚や部下から次々に批判され続ける――つまりは「吊し上げ」にされるというもので、面目は丸つぶれ、精神的にも追い込まれる。

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若造の下戦士にも批判され、「やはり行政(中隊長)は政治(政治指導員)ほど力がない」と陰口を叩かれる有様だった。

プライドをズタズタにされた中隊長は、ついにブチ切れた。12日に行われた毎月の中隊武器・戦闘技術機材・散弾(銃弾)検査のときに、自らの拳銃に実弾を装填した中隊長は、中隊部事務室に乱入し、デスクに座っていた政治指導員を射殺した。

銃声に驚いた部隊の直日官(当直士官)が指揮部に報告し、旅団直属の軽歩兵大隊の隊員が中隊長を3時間後に逮捕したが、銃撃戦になったようで、この過程で隊員3名が撃たれて負傷した。中隊長は現在、起訴前の予審の過程にあり、護衛局の軍事裁判にかけられることになるが、死刑を免れないだろう。

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絶対にあってはならない特閣での銃撃事件に、879旅団は上を下への大騒ぎとなった。金正恩氏からは心配の「マルスム(お言葉)」が下され、警備に当たっていた中隊に属していた100人あまり全員が、旅団の指揮部講習所に勾留され、取り調べを受けている。

護衛局内の綱紀、思想、精神状態の乱れが深刻だと見て、銃器、銃弾の定期管理、兵科、指揮官の間の軋轢など、洗いざらい調べ上げるために、個別談話(面談)を行っている。

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中隊長は現在、起訴前の予審の過程にあり、護衛局の軍事裁判にかけられることになるが、重罪を免れないだろう。

(参考記事:兵士らが金正恩「特別列車」を襲撃…重大事件の意外な顛末

879旅団長(大佐)は、連帯責任を取らされ、出党(朝鮮労働党から除名)、撤職(更迭)、除隊の処罰を受けた上で、護衛局保衛部、検察所、本部指揮官からなる検閲(監査)班による取り調べを受けている。

それだけにとどまらず、879旅団を解散し、人員を総入れ替えにするとの噂も出ている。護衛局には非常警戒令1号が発令され、879旅団直属の軽歩兵大隊が、銃撃事件の起きた区域に配備されたとのことだ。

(参考記事:「軍幹部はボディブローで崩れ落ちた」北朝鮮“クーデター未遂”の真相

中央党(朝鮮労働党中央委員会)の内部では「鏡城の特閣はモシム(お迎え)特閣の資格がない」、つまり金正恩氏を迎え入れるには不適格だとして、招待所に格下げして、社会安全省(警察庁)や国防省に移管すべきとの声が上がっているとのことだ。