北朝鮮警察も驚愕した「平凡な女性事務員」の許されざる罪

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米農務省の経済研究所は今年1月と2月、相次いで北朝鮮の食糧事情に関する報告書を出した。

新型コロナウイルスの食料安保に関する報告書では、北朝鮮の総人口2560万人中63.1%にあたる1620万人が、国連の定めた食糧摂取量を満たしていないと明らかにした。また、コメ生産に関する報告書では、北朝鮮の昨年のコメ収穫量が1994年の150万トンを下回る136万トンで、15万トンの食料輸入が必要だとしている。

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コロナ鎖国で肥料、営農資材が輸入できず、食糧難に拍車がかかる中、とてつもない量の穀物を横領した容疑で、協同農場の職員が摘発された。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、摘発されたのは、穏城(オンソン)郡の三峯(サムボン)協同農場で簿記員(出納担当者)を務めていた、一見平凡な女性だ。

地元の安全部(警察署)は数年前、この女性が複数の人を雇って自宅の地下に穴を掘ったという噂を聞きつけ、捜査を行おうとした。しかし、その目的などを示す確実な証拠がなく、家宅捜索に踏み切れないまま、案件を放置していた。

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ところが、事件は別のところから発覚した。

女性の20代の息子が、麻薬事件に関与した疑いで摘発され、安全部が自宅を捜索したところ、地下に貯蔵庫があるのを発見した。中から出てきたのは麻薬ではなく、大量のコメ。その量はなんと10トン。報告を受けた安全部の幹部は驚愕したという。

この農場は昨年、国から割り当てられた穀物生産計画(ノルマ)が達成できなかったが、その裏で女性は、コメを大量に横領し隠し持っていたのだった。

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安全部は「このような大型の非行は全国的に見ても大事件で、(食糧が不足する)現状ではさらに深刻な犯罪」と断じた。また、「人々が飢えて死につつある現状において、このような行為は許されざる蛮行」だと、地元の住民も激しく非難した。コメはすべて没収され、女性には重い判決が下されると見られている。

ちなみに、食糧難の著しかった金正日時代には、食べ物を盗んだという理由だけで銃殺刑にされる人が相次いでいた。

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また、事件の報告を受けた朝鮮労働党の穏城郡委員会は、簿記員がこれほどの量のコメを横領していたのに、農場の管理イルクン(幹部)は一体何をしていたのかと、追及を始めた。

女性と親しかった農場の管理委員長も追及を受け、事件とは無関係であることが判明したものの、管理監督責任を問われることは避けられない見通しだ。また、他の管理イルクンも火の粉が飛んでくるのではないかと戦々恐々としているとのことだ。

協同農場の穀物を巡っては、軍糧米(軍向けの食糧)を出せと迫る軍と、一粒たりとも奪われまいと抵抗する農場の間で、頻繁にトラブルが起きている。

(参考記事:協同農場を「占領」した北朝鮮軍の危機的状況