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5月に英国で行われる地方選挙で、与党・保守党はマンチェスター郊外のデントン・サウス区でティモシー・チョ氏を擁立することを決めた。今年33歳の彼は、北朝鮮でコチェビ(ストリート・チルドレン)になり脱北、2008年に英国にたどり着き難民資格を得た脱北者だ。

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が、彼の活動の詳細を報じている。

両親と別れたチョ氏はコチェビとなり、2004年に脱北して中国に向かったものの、逮捕され強制送還された。その後に再び脱北、2008年に英国で難民資格を得て定住した。高卒認定試験を受け大学に進学、リバプール大学大学院で国際関係安保学の学位を得た後は、下院議員の補佐官として活動。現在は英国国会内の北朝鮮問題に関する超党派議連の行政官を務めている。

VOAのインタビューに応じた彼は、北朝鮮では政治それ自体が特権で、選択された人だけが参加できるものだと思い、政治が何であるかも知らなかったと語った。また、英国で学んだ生きた政治を実践に移し、最終的には北朝鮮の人々を民主主義の仲間にすることが自分に与えられたミッションだと答えている。

(参考記事:韓国で「ホンモノ」の選挙を初体験する脱北者たち

チョ氏は、プレミア・クリスチャニティ誌のインタビューにも、自身の生い立ちについて語っている。

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成分(身分)は敵対階層に分類され、朝鮮労働党への入党や朝鮮人民軍(北朝鮮軍)への入隊の道を閉ざされていた。両親は幼いころに彼を残して脱北し、コチェビにならざるを得ず、2004年に脱北を試みて中国に潜入するものモンゴル国境で逮捕され、北朝鮮に強制送還された。

(参考記事:【徹底解説】北朝鮮の身分制度「出身成分」「社会成分」「階層」

逮捕、収監され拷問を受けたが、釈放後に2度目の脱北を図った。今度は上海で逮捕されたが、そのときに勾留された部屋で韓国出身のヤクザと一緒になり、その人物から聖書を読むように勧められたことが人生の転機になった。中国当局は、脱北者を経済目的の不法入国者とみなして強制送還しているが、彼は国際的な救命運動のおかげで、例外的に中国から英国にたどり着けたという。

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同じマンチェスター郊外のムーアサイド区では、脱北者で人権活動家のパク・チヒョンさんが区議会議員候補として保守党から擁立されたと英国メディアが報じている。両地域とも、労働党が強い地域であり、苦戦が予想される。もし当選となれば、英国初の脱北者議員となる。

元コチェビの政治家としては、昨年2月17日に行われた韓国の国会議員選挙で、保守系野党の自由韓国党(現国民の力)から立候補して当選した池成浩(チ・ソンホ)氏がいる。

(参考記事:「コチェビから韓国の国会議員に」北朝鮮から驚きの声