米国のバイデン政権が、史上最悪と言われる日韓関係を問題視していることが明らかになりつつある。
米国務省報道官室は11日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「日本と韓国の間に存在する緊張は遺憾だ」と指摘。「バイデン-ハリス政権は米国と同盟国の関係強化だけでなく、同盟国間の強化にも取り組んでいる」としながら、「日本と韓国の関係よりも重要なものはない」と言明した。
また、国務省のプライス報道官は9日の定例記者会見で北朝鮮への対応を巡り、「(北朝鮮がどのような挑発に出るかというより)私は我々がパートナーの韓国・日本と緊密に協力できないという展望がさらに心配だと考える」と発言している。
さらに、米国議会調査局(CRS)は最近、歴史問題を巡る日韓の葛藤によって日米韓の政策調整機能が弱まったという内容の報告書を出している。韓国紙・東亜日報の報道によると、CRSは今月初めに出した日米関係に関する報告書で、「日韓関係は、日本の植民支配による敏感な歴史問題で緊張が続いている」とし、「18年と19年、貿易、安全保障、歴史関連の論争を含め両国政府が取った一連の措置と報復的対応手段は、両国の関係が真っ逆さまに陥る状況を招いた」としているという。
だが、こうした一連の公式見解より興味深いのが、東亜日報が紹介したバイデン政権高官のコメントだ。同紙によるとこの高官は、日韓関係について「韓国が過去にとどまって前に進まないなら、バイデン政権の人々はパートナーとして韓国に期待することをあきらめる可能性もある」と警告したという。
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周知のとおり、バイデン大統領はオバマ政権で副大統領を務めた。当時、日韓は従軍慰安婦問題で対立を深めていたが、米国の仲裁もあり、問題解決に向けた合意の締結でいったんは落着したかに見えた。
ところが、その後に発足した韓国の文在寅政権は、朴槿恵前政権の業績を否定する中で、日韓の慰安婦合意を実質的に空文化してしまった。オバマ政権から多くの外交スタッフを引き継いだバイデン政権が、「韓国が過去にとどまって前に進まない」と見ているとしても不思議ではない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面文在寅政権は最近、日本との関係改善に取り組む姿勢を打ち出しているが、それも米国内のこうした気流を感知してのことかもしれない。米国当局の一連の公式コメントは、日韓が自主的に関係改善に取り組むよう促しているものと言えるが、果たしてことがそのように運ぶかどうか、予断を許さない状況と言えるだろう。