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黄海に面した北朝鮮の港から、木造船が忽然と姿を消した。それも3隻同時で、4人の乗組員も一緒だったために大事件となり、現地は大騒ぎになっている。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、事件が起きたのは昨年末のこと。場所は黄海南道(ファンヘナムド)の龍淵(リョンヨン)郡だ。まず、事が大きくなったのは、この場所柄が関係している。

郡内には、黄海に突き出した長山串(チャンサンゴッ)という岬があるが、そこから15キロほど南下すると、白翎島(ペンニョンド)という島にたどり着く。実はこの島、韓国領だ。韓国の仁川(インチョン)から200キロ離れているが、北朝鮮までは十数キロという極めて特殊なロケーションにある。

また、夢金浦(モングムポ)の海水浴場管理所の保衛指導員(秘密警察)とその家族、そして朝鮮人民軍(北朝鮮軍)を除隊したばかりの人1人という、乗組員の顔ぶれも問題を大きくした。

この保衛指導員は、船に乗って海上を漂うゴミを回収する作業を熱心に行っていたが、作業をより円滑に進めるために、各機関の許可を得た上で、木造船をさらに3隻をレンタルした。

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ところが、3隻は作業開始前の昨年末、港から姿を消してしまったのだ。不審に思った海水浴場の管理所の職員が、龍淵郡安全部(警察署)と保衛部(秘密警察)に通報した。彼らが出動して、ようやく船とともに4人が姿を消したことも確認された。

保衛部は捜索に乗り出したが、見つけたのは、岸からかなり離れた防波堤のそばで漂っていた2隻の船だけ。彼らが船に乗って越南、つまり脱北して韓国に向かったものと見ている。だが、韓国政府は脱北者の入国について、一部の例外を除き公式には確認しないという姿勢を取っており、4人が韓国にたどり着いたかどうかはわかっていない。

元々3隻はロープで結ばれていたが、保衛部は4人が1隻に乗って逃げる際に、他の2隻のロープが解けて海を漂っていたものと見ている。

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報告を受けた道党(朝鮮労働党黄海南道委員会)は、この一件が中央に知れたら大問題になることを懸念し、夢金浦海水浴場を封鎖、事件のことが広がらないように、関係者にかん口令を敷いた。

また、郡党(朝鮮労働党龍淵郡委員会)、安全部、保衛部は住民に対して、4人は漁に出て事故で遭ったと宣伝する一方で、内部では4人についての調査を行うと同時に、保衛部の職員に対して思想検討を行い、住民には警戒を強化することを指示した。

この海域では、以前から船に乗って、或いは泳いで韓国にたどり着き亡命する事例が起きている。

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白翎島付近では、2014年7月には、北朝鮮の民間人1人が、木造船に乗って韓国に亡命している。また、2018年5月には、朝鮮人民軍の佐官級将校1人と労働者1人が、小型船に乗って韓国に亡命した事例がある。

(参考記事:北朝鮮男性2人が韓国に亡命…うち1人は軍少佐か

一方、昨年9月には、韓国・海洋水産省所属の男性公務員が、この海域の海上を漂っていたところ、北朝鮮軍に射殺される事件が起きている。

(参考記事:「失望させ申し訳ない」金正恩氏、韓国人射殺で謝罪

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