「青少年の性的逸脱で社会が瓦解」北朝鮮が警戒…コロナ休校が影響か

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋の話として、中央党(朝鮮労働党中央委員会)が、高級中学校(高校)の男女の生徒の間で「非道徳的な性的逸脱を行う者が増えている」として、強力な対策を立てるように指示したと報じている。

情報筋は、党が指摘する「非道徳的」な現象は、新型コロナウイルス感染防止のため、休校が続いたことも影響していると情報筋は見ている。ずっと家にいると「よからぬ映像」などを見てしまい、それを友人間で交換することで性行為が増えているのだとか。

しかし最近の北朝鮮では、青少年のこうした行動が問題視される例が珍しくなくなってきている。今回の件では言及されていないが、「非道徳的」な行為に違法薬物の使用が加わることもしばしばある。

北朝鮮国内では密造された覚せい剤が流通しており、中毒となった大人たちを真似て、少年少女までが薬物に手を出しているのだ。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

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今回の指示のきっかけは、新義州(シニジュ)市の金日成金正日主義青年同盟が、市内の高級中学校を対象に行なった検閲(監査)だ。一部の学校で、男女生徒が不良青少年とつるんで、同じ部屋で外泊したり、性売買を行ったりしていたことが判明したというのだ。

「資本主義生活様式に染まった学生青少年たちの間で、このような非道徳的な性びん乱行為が起きている」
「学生青少年たちのこのような性びん乱行為は、わが社会を瓦解させようとする敵どもの策動を助ける逆賊行為だ」

RFAによれば、北朝鮮当局はこのように主張し、一連の減少に対する警戒感を表しているという。

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生徒たちが資本主義的生活様式とやらにハマった理由として中央党は、携帯電話などデジタルデバイスの普及にあると見ているようだ。そして、学校に対して、生徒を対象に持ち物検査を行い、携帯電話などのデジタルデバイスの所持を確認し、組織生活をきちんと行っているか、家庭でのしつけはどうなっているか、不健全な性行為を行っていないかを確認するための対策を立てるよう指示した。

これを受けて、青年同盟と学校は、問題を起こした生徒を個別に呼び出して教育を行うとのことだ。しかし、生徒たちを「啓導」する立場の大人が、サウナや民泊を利用して売春や不倫を行い、さらには違法薬物を乱用しているというのに、そんな話をしたところで説得力を持つとは思えないのだが。