米軍「動画公開」でひと悶着…金正恩が恐れる「斬首作戦」

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韓国の主要メディアが23日までに、北朝鮮を狙った米韓両国の特殊部隊による合同訓練が行われたと報じたことに対し、米国防総省は「報道は間違っているだけでなく、無責任で極めて危険だ」と否定した。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が24日に伝えた。

一方、韓国国防省の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官も同日、「(この訓練は)対テロ訓練と要人の救出訓練」だと説明した。

仮想敵と銃撃戦

米国防総省は16日、公式ウェブサイトで、韓国国内で今月8-11日に行われた訓練の写真12枚と動画を公開した。動画は公式ウェブサイトからは削除されているが、動画共有サイトのYouTubeで見ることができる。

これについて韓国紙・中央日報(日本語版)は23日付で「北朝鮮が米朝交渉期限を年末に定め、米国に向けて『クリスマスプレゼント』などに言及して挑発の意志を強く示唆した状況で、米軍は北朝鮮を仮想の敵として襲撃作戦訓練をしたことが確認された」と断定的に報じた。

また、朝鮮日報(同)も23日付で、「朝鮮人民軍首脳部を除去するいわゆる『斬首作戦』の訓練」だとしながら、韓国軍周辺では「普段は非公開で行われる訓練を公開したのは『クリスマス挑発』を示唆した北朝鮮に対し、軍事面で強い警告のメッセージを送るためだ」との見方も出ていると伝えた。

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米国防総省や韓国国防省の主張と大きく食い違う内容だが、どちらが正しいのだろうか。

2分37秒の動画には、消音器付きの自動小銃などで武装した米韓両軍の特殊部隊員が建物内に侵入し、北朝鮮兵士役と見られる仮想敵と銃撃戦を行う様子も収められている。

(参考記事:【動画】米軍が訓練公開…北朝鮮狙う「斬首作戦」

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仮想敵の兵士は朝鮮人民軍を模した軍服を着ているように見え。また、写真のうち1枚は、私服を来た男性が両手を後ろで拘束され、連行されているように見える。これらを見る限り、米韓両政府の説明を素直に受け入れる気にはなれない。

米韓では北朝鮮との対立が激化した2015年の夏以降、有事において、北朝鮮の指導部や核・ミサイル施設を早期に除去する「斬首作戦」の導入が論じられており、北朝鮮はこれに強く反発してきた経緯がある。

写真と動画がどのような経緯で公開されたかはわからないが、米韓の主張は、金正恩党委員長を過度に刺激しないための後付けの説明に聞こえる。

(参考記事:「韓国外交はひどい」「黙っていられない」米国から批判続く