14歳も「見せしめ」に…北朝鮮「韓流」に死刑判決

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昨年4月に10年ぶりに開催された南北首脳会談。その関連イベントとして北朝鮮の首都・平壌では韓国の芸能人らによる公演が行われ、金正恩党委員長と李雪主(リ・ソルチュ)夫人も鑑賞した。

それから7ヶ月経って、その様子を収めたDVDが北朝鮮各地の市場で出回るようになったが、当局はこれに対する取り締まりを行った。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によれば、道保衛部(秘密警察)は、このDVDを特別取り締まり品に指定し、摘発に乗り出した。昨年初頭から行っている「非社会主義現象」、つまり風紀や思想の乱れの取り締まりの延長線上でのことと思われる。

北朝鮮当局は、死刑や拷問など極端な手段を動員して取り締まるほど韓流コンテンツを嫌悪してきた。

北朝鮮国民の期待を裏切る「逆コース」とも言うべき現象が見られている。昨年12月、首都・平壌市の郊外で行われた公開裁判では、「外部映像物販売」の容疑者に死刑判決が下された。

さらに両江道では2月3日、14歳の中学生を含む17人を「韓流ドラマや映画をこっそり視聴し、映像ソフトを流布した」として吊し上げる大規模な住民暴露会が行われた。事実上の公開裁判である。

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(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

わざわざ韓国から呼んだ芸能人に公演をさせながら、一方では「見るな」と脅迫し、甚だしくは死刑にする当局のやり方に、市民は恐怖を覚えつつも、不満をうっ積させ、静かな反抗を試みてもいる。

「保衛部と109常務(韓流取り締まり班)を中心に厳しい取り締まりが行われているが、むしろ(USB)メモリはよく売れている。小さいのでバレるリスクが低く、隠しやすいので買い求める人が増えている」(両江道の情報筋)

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これは、捕まったら死刑にされるかもしれないという恐怖を乗り越えて、韓流を見続ける人が少なからず存在することを示す。今まで娯楽らしい娯楽がほとんどなかった北朝鮮に、韓流が恐ろしいほどの勢いで広がっているのだ。

外国の文化に触れただけで拷問したり死刑にしたりするのは、言うまでもなく甚だしい人権侵害だ。北朝鮮では他にも様々な形での人権侵害が行われているが、恐怖政治の下では、人々がそれに正面切って抗うのは難しい。

しかし、理屈抜きに「面白い」と感じさせるエンタテインメントは、そのような構図を越えて、人々を行動に駆り立てる力を持っている。北朝鮮当局による韓流取り締まりとその失敗は、北朝鮮の体制による国民支配が、完ぺきではないことを物語っている。