実は、今回摘発された建物は、ある工場の従業員たちの寮なのだ。そしてその工場で働いているのは、事故などで視力を失った視覚障碍者たちだ。北朝鮮当局としては、視覚障碍者に対する支援策として、職場と住居を提供したのかもしれない。
しかし、慢性的な経済難に、国際社会の制裁が追い打ちをかける現状の中で、まともに稼働している工場など一握りしかない。給料も配給も途絶え、生きていくためには市場などで商うしかないが、目が見えなくてはそれも容易ではない。そのため別の消息筋によれば、北朝鮮における視覚障碍者の労働者は「最下層の人々」なのだという。