米国政府「文在寅」名指しして不満爆発…北は軍事挑発

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米国務省の報道官は22日、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことについて、「米政権は文在寅政権(Moon administration)に対し、協定を破棄すれば米国および同盟諸国の国益に悪影響を及ぼすと繰り返し明確にしてきた」と指摘。その上で、破棄決定は「文政権が北東アジアで私たちが直面する深刻な懸案を正しく理解していないことの表れだ」と批判した。

また、米国防総省も同日、「韓国の文政権(Moon administration)の決定に強い懸念と失望を表明する」との声明を発表。さらに、「日韓関係の中で摩擦のある分野があったとしても、私たちの相互防衛と安全保障上の連携は、持続しなければいけない」とした。

韓国紙・朝鮮日報によれば、米国がこのようなケースで公式に韓国政府について言及する場合、「ROK(Republic Of Korea)」とするのが普通だという。米国はこうした慣例を破って文在寅政権を名指しし、強烈な不満を表したわけだ。

このところ文在寅政権への批判を強めている北朝鮮ですら、「南朝鮮当局者」「南朝鮮執権者」と呼ぶに止め、文在寅氏への名指しまではしていない。このことからも、米国の不満がいかに強いかがわかる。

米国はまた、青瓦台(韓国大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長が、GSOMIA破棄の決定過程について「政府は各レベルで米国と緊密に意思疎通・協議し、われわれの立場を説明した」としていることにも不満を抱いているようだ。

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朝鮮日報によれば、トランプ政権の高位関係者は、文在寅政権がGSOMIA破棄について米国の理解を得ていたと取れるような説明をしていることについて「嘘だ」と強く否定したという。

(参考記事:「何故あんなことを言うのか」文在寅発言に米高官が不快感

一方、日本政府は韓国のGSOMIA破棄について懸念と失望を表明しながらも、特段の行動を示していない。「無視」する戦術を取っているのは明らかだ。

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そんな最中、北朝鮮は24日午前、北東部・咸鏡南道(ハムギョンナムド)の宣徳(ソンドク)付近から朝鮮半島東側の海上に向け、飛翔体を2発発射した。飛翔体が東の日本海へ抜けていく軌道の追跡は、韓国軍が苦手とする部分であり、タイミングを狙いすました軍事挑発である可能性が高い。

韓国の行動を起点とした同盟の不協和音は、北朝鮮により確実に狙い打たれている。