「図々しくも憐れ、おかしい人々」北朝鮮が文在寅政権を罵倒する理由

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北朝鮮の外務省傘下にある米国研究所の政策研究室長は11日、韓国軍のF-35Aステルス戦闘機導入を非難し、「われわれも特別兵器の開発と試験を行わざるを得なくなった」とする談話を発表した。

談話は、韓国の文在寅政権をかなり辛らつな言葉で非難しているが、その裏には周辺国の軍備増強に取り残されていることへの危機感があると思われる。

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北朝鮮の朝鮮人民軍は一部のエリート部隊を除き、軍紀びん乱のきわみにある。とうてい、本格的な戦争に耐えられるレベルではないからだ。

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談話は、ステルス戦闘機を導入する目的は朝鮮半島有事で北侵の道を開くことにあると断じ、「相手側を狙った武力増強を全面中止することについて明白に規制した『板門店(パンムンジョム)宣言の軍事分野履行合意書』に正面切って挑戦」するものだと非難。

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さらに、「今回の戦闘機搬入がわれわれの反発を招き、朝鮮半島情勢を軍事的緊張激化へ進ませる危険極まりない行為になるということを明白に知りながらも、泣いて馬謖(ばしょく)を斬るというふうに宗主である米国の機嫌を取って生きていくのが南朝鮮当局のおかしい人たちである。

そのようにしながらも、北南間の和解と協力を唱えているのを見ると、図々しいとも言えるが憐れにも見える」と述べ、文在寅政権を罵倒した。

だが、今になって韓国を非難したところで、10年、20年単位で進む軍事力整備が、そう簡単に覆らないであろうことは北朝鮮とて理解しているはずだ。

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こうした談話の目的のひとつは、ステルス戦闘機の導入を少しでも遅らせて、米韓の不協和音を増大させるところにあるように見える。

談話はまた、「われわれもやはり、仕方なく南朝鮮に増強される殺人装備を焦土化させる特別兵器の開発と試験を行わざるを得なくなった」と述べている。

これは、米国との対話を経て非核化が進んだ場合、国防力の空洞化を避けるため代替兵器を開発する口実を確保して置きたい意図を表している。

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核に替わる「特別兵器」の開発と実戦配備は、金正恩党委員長にとっては相当に重要な過大だろう。では、その「特別兵器」とは、いったいどのようなものになるのか。

これについては今すこし、朝鮮人民軍の動向観察が必要なようだ。