韓国の主要メディアは29日、同国外務省やNGOの北韓正義連帯などの情報に基づき、9歳の女児を含む脱北者7人が中国の公安当局に逮捕され、北朝鮮に強制送還される危機に直面していると伝えた。外務省は中国当局に対し、北朝鮮に送還しないよう要請しているが、予断を許さない状況だ。
強制送還された脱北者に対しては、拷問を含む過酷な処罰が下されるのが普通だ。2017年7月には父母と息子1人、娘2人の5人家族が脱北後に中国当局に摘発され、将来を悲観して服毒自殺する出来事もあった。
(参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)報道によれば、7人は今月初め、中朝国境の川・鴨緑江(アムロッカン)を越えて脱北。その後、中国・瀋陽市郊外の隠れ家に潜伏し、26日までは韓国にいる家族などと連絡を取り合っていたが、翌日午前には連絡が途絶えた。隠れ家は無人で、荷物や寝具が散乱した状態だったという。
9歳の女児・崔(チェ)さんは、母方の叔父と一緒に川を越えたという。崔さんの両親は2年前に脱北し、現在は韓国で暮らしている。目下、7人は生死すら確認されておらず、崔さんの母親は食事も取れない状態だという。
2017年11月には、4歳の男児とその母親が韓国行きを目指して中国の瀋陽のアジトに潜んでいた脱北者10人が中国公安当局に逮捕される出来事があった。その中には、先に脱北して韓国で暮らしているイ・テウォンさんの妻ク・ジョンファさんと、4歳の息子も含まれていた。イさんは韓国メディアに出演して10人の救援を訴えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面しかし、世論が高まることのないまま、10人は北朝鮮に強制送還されてしまった。翌年3月、ク・ジョンファさんは北朝鮮当局から釈放され、息子と再会できたものの、母子と父は離ればなれの状態にある。