制裁で瀕死の北朝鮮が頼る「美人ウェイトレス」バイト大作戦

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ロシア国内にある北朝鮮レストランで、学生ビザで滞在しながら働く北朝鮮女性が増えていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

世界各国の北朝鮮レストランは、アイドル並みの美貌を供えたウェイトレスらを看板に、少なくない外貨を稼ぎだしてきた。しかし、核開発などに対する経済制裁で、国連加盟国は北朝鮮労働者に就労ビザを出すことを禁じられた。

(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発

その規制をくぐり抜けるべく考え出されたのが、美人女子大生らによる「バイト作戦」というわけだ。

ロシア極東に位置する港湾都市・ウラジオストクには、平壌館、高麗館、金剛山など北朝鮮当局が運営するレストランがある。

3月中旬にこれらの北朝鮮レストランを訪れたある情報筋はRFAに対し、数か月前に訪問したときよりも女性従業員の数が増えたと語っている。平壌館は4人から7人に、高麗館は2人から4人に、金剛山は5人から8人に、という具合だ。

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彼女らと言葉を交わした情報筋によれば、女性従業員らは1年期限の学生ビザを持っているという。

また、ウラジオストクの北朝鮮レストラン事情に詳しい別の情報筋は、「女性従業員たちは、自分たちが平壌の商業大学を卒業し、ロシアでの実習のために来たと言っていた」と語っている。

一方、ロシア政府は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議2375号に基づき、北朝鮮労働者に対する新規の労働許可を全面的に禁止しており、すでに同国内で働いていた3万人の労働者のうち、ほぼ3分の2を北朝鮮に送還したとの報告書を国連に提出したと伝えられている。

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では、北朝鮮レストランの女性従業員らは、どのようにしてロシア国内で働いているのか。実はこれとよく似た状況が、中国国内でも観察されている。

中国の労働法は、学生との雇用契約は認めていない。つまり、学生のバイトやインターンは、労働法の保護の対象となる労働者とは定義されないのだ。つまり北朝鮮は法律の盲点をつき、労働者とは認められない女子大生を派遣して、制裁破りを行っているわけだ。

さらにレストラン経営者は、中国の法定労働時間(1日8時間以下)、残業時間(通常は1日1時間、特別な事情があった場合でも3時間以下)、最低賃金(丹東市では1420元、約2万4000円)を守らなくても罰せられない可能性がある。

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実際、中国のレストランで働く北朝鮮の女子大生らは、朝9時から夜9時半までの長時間労働を強いられているが、給料はほとんどもらえないという。賃金は学生ではなく北朝鮮当局の責任者に手渡される。彼女らは、期間満了後にわずかばかりの外貨を受け取るだけだ。

ロシア国内での状況も、これとよく似たケースであると考えられる。ロシア政府がこの状況を知っていて目をつぶっているのか、あるいは気づいていないだけなのかは不明だ。しかし、近くウラジオストクでプーチン大統領と金正恩党委員長の会談が行われるとの情報も流れる中、ロシア当局が強い姿勢で取り締まりを行うとは考えられない。