遺体に銃弾を浴びせ「もう一度殺した」北朝鮮の集中検閲

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、中国との国境に面した北朝鮮・新義州(シニジュ)市で先週初めから、中央検察所による集中検閲が行われているという。

人体を「ミンチ」に

集中検閲とは、数十人から場合によっては数百人単位の検閲団が派遣され、地元住民らの思想的な偏向のチェック、さらには党や行政機関の幹部による不正、違法薬物の密売や売買春など「非社会主義行為」の大々的な摘発が行われるものだ。

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新義州は、北朝鮮でも最も頻繁に検閲が行われる地域だとされる。中国と国境を接しているために、住民が海外の情報と接しやすい事情があるからだ。

通常は秘密警察である国家保衛省や、警察に当たる人民保安省が検閲を行うことが多いという。そのため検閲に慣れているはずの新義州市民らも、「今回はどうして中央検察所なのか」と緊張しているという。

それもそのはずで、北朝鮮においては過去、こうした集中検閲が行われる中、文字通り「血の雨」が降った事例があるのだ。

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集中検閲の中でも最も厳しかったと言われるのが、1995年に両江道(リャンガンド)に対して行われたものだ。

当時、検閲を担当した軍の保衛司令部は、道内だけで少なくとも19人を公開銃殺にしており、非公開で処刑された人々も加えたら、いったいどれほどの犠牲者が出たかもわからないという。

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北朝鮮の公開銃殺は、従来のやり方でも十分に残酷なのだが、保衛司令部のやり方は輪をかけてひどかった。普通は胴体を狙って9発の銃弾を撃ち込むのだが、保衛司令部はその全弾を頭部に浴びせたというのだ。

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それだけではない。保衛司令部はこのとき、密輸を生業としていた31歳の男性を「剖棺斬屍」の刑に処している。これは、棺から遺体を引き出して斬刑にするという、中世の朝鮮半島で行われていた行為だ。

保衛司令部は、冷凍倉庫で拷問を受け死亡した密輸業者の遺体を飛行場に運び出し、群衆が見守る中、銃弾を浴びせて「もう一度殺した」のだ。

もっとも、残虐さならば金正恩党委員長もひけを取らない。大口径の4連高射銃を人体に向け、文字通り「ミンチ」にしてしまうなど、彼の祖父や父にも思いつかなかったことだろう。

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ともかく、新義州での集中検閲が、何事もなく終わることを願うのみだ。