文在寅政権が北朝鮮に送り続ける「非核化に致命的」な贈り物

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韓国の主要メディアは3日、韓国船舶1隻が国連安全保障理事会(安保理)の制裁決議違反に当たる北朝鮮船舶との違法な洋上取引(瀬取り)を疑われ、昨年10月から韓国南部の釜山港に抑留されていると報じた。

この船舶は石油精製品を北朝鮮船舶に積み替えたとされており、保有会社は韓国当局の捜査に対し、疑いを認めたとされる。

このニュースを伝えた聯合ニュースは、同国外交筋の次のような言葉を紹介している。

〈外交筋は「北朝鮮制裁委の専門家パネルは瀬取りが増えていると指摘したが、実際に摘発が報じられたのは韓国だけ」としながら、「韓国だけで起きているからでなく、韓国が制裁決議をしっかり履行しているためというのが国際社会の評価」と述べた〉

これは確かに、そのとおりだろう。だが、こうしたことが敢えて強調されるのも、北朝鮮との融和に前のめりになる文在寅政権に対し、国際社会が「危うさ」を感じていることを同国政府が認識しているからだろう。

そして、問題は経済制裁だけではない。

文在寅政権は露骨に、北朝鮮の人権侵害から目を背けている。人体を「ミンチ」にするような残忍な方法で側近を処刑し、兄である金正男氏を化学兵器で暗殺するような独裁者を、文在寅大統領はどうしてソウルに招待したがるのだろうか。

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制裁決議に違反したら国際社会から非難されるのに、人権問題を見過ごしても何も指摘されないというも理不尽な話だが、実際のところ、これは非核化のためにもならない。

2000年6月の史上初の南北首脳会談に際し、当時の金大中政権と現代グループは、会談に応じる見返りとして5億ドルを北朝鮮に贈ったことが明らかになっている。まずは対話が重要であり、見返りとして北側に多少の便宜をはかっても、それより大きな成果を得られるとの判断によるものだろう。

これは、文在寅政権の現在の姿勢にも通じるものだ。

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政治の世界では時に、そのような考え方もあり得るのかもしれないが、この2つの政権は重要な部分で判断を誤っている。

それは、非核化であれ平和統一であれ、金一族の独裁を許している限り実現は難しいのに、むしろ独裁体制の延命に手を貸してしまったことだ。

カネを与えることの害悪は言うまでもないが、人権問題を無視することもまた、恐怖政治を助長するという意味で何より危険な贈り物なのだ。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

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この点を見誤り続ける限り、文在寅政権は制裁決議の履行でどのように体裁を整えるにせよ、金正恩体制に「与えるべきでないもの」を与えていることに変わりはないのだ。