金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない「もうひとつ」の理由

先月末、ベトナムのハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談は物別れに終わった。しかし、北朝鮮の金正恩党委員長は首脳会談にある程度の自信をもって臨んでいたようだ。会談前日の26日午前に特別列車でベトナム入りした金正恩氏は、出迎えた儀仗兵や市民に笑顔で手を振るなど、余裕を見せていた。

その後、専用ベンツに乗ってハノイ市内を移動した金正恩氏はさぞかし悦に入っていただろう。注目されるなかでの移動もさることながら、金正恩氏が乗る専用ベンツは、多忙な彼が気分転換できる空間のひとつだからだ。

金正恩氏はとりわけベンツが好みらしく、4月27日の板門店(パンムンジョム)での南北首脳会談と6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談では、「ベンツS600プルマンガードリムジン」に乗っていた。また、金正恩氏が乗るベンツには、同氏が普通のトイレを使えない事情を考えて、特殊な装備が搭載されているとも言われる。

金正恩氏が専用ベンツにこだわるのは、もうひとつ理由があるようだ。

韓国の大手紙である中央日報は、ベトナム入りした金正恩氏がタバコを吸い始めると実妹である金与正氏が灰皿を持って近寄り、吸殻を回収する様子に注目した。まるでヤクザ映画にでも出てくるようなシーンだが、同紙はこの行動には、金正恩氏の秘密情報、すなわち生体情報を秘匿するための意図があると指摘する。

金正恩氏に限らず、国家の最高指導者の生体情報はトップシークレットだ。逆に言えば、アメリカや韓国のみならず全世界の情報機関にとって金正恩氏の生体情報は喉から手が出るほどほしいだろう。金正恩氏の健康状態から、北朝鮮内部で今後、何らかの異変が起きる可能性を推測することもできる。

例えば、現在は肥満体である金正恩氏だが、2011年に最高指導者になった直後はそれほどではなかった。しかし、ある時期から急に肥満体型となる。その前後に北朝鮮では粛清の血の雨が降った。残虐な粛正をするなかで、金正恩氏が精神状況と身体に何らかの異変をもたらした可能性は十分ある。

金正恩氏のDNA情報も貴重である。金正恩氏の実母は日本生まれの高ヨンヒ氏だが、血統を重んじる北朝鮮では、この情報は絶対に明かすことができない。しかし、高ヨンヒ氏の実妹である高ヨンスク氏は亡命してアメリカに在住している。つまり金正恩氏のDNA情報を採取できれば、北朝鮮の最高指導者のルーツが大阪にある絶対的証拠を入手できるのだ。既に米国の情報機関が入手していてもおかしくはない。

中央日報は、北朝鮮当局は金正恩氏のタバコの吸殻はもちろん汗や鼻水を拭いたティッシュペーパーやタオル、ホテルなどに落ちた髪の毛を徹底的に回収し、「大小便の場合は完全密封して化学処理するなど特殊な過程を経るか、それが不可能な場合は北朝鮮に回収して行く」という情報関係者の話を紹介している。

身辺警護だけでなく生体情報をもらさないためにも、金正恩氏は専用ベンツの特殊装備で用を足すのかもしれない。

    関連記事