もうすぐ「『終わり』の始まり」を迎える北朝鮮の逃れられない運命

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トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩党委員長との2回目の首脳会談が、5日後に迫っている。日米韓のメディアの中には、トランプ氏が今回の会談で、制裁緩和に応じるなど北朝鮮に妥協する可能性があるとする分析が見られる。そうなれば金正恩氏にとっては儲けものだが、中長期的に見れば、それが北朝鮮の体制にとっての「『終わり』の始まり」になる可能性もある。

金正恩体制は、恐怖政治で国民の動向を統制し、社会主義の体裁を取り繕っている。

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しかし実のところ、同国の計画経済はすでに崩壊しており、なし崩し的な資本主義化が進行。貧富の差が拡大し、良い意味でも悪い意味でも「自由」の拡大が始まっている。

それを後押ししてきたのは、実は金正恩氏自身でもある。市場に対する統制を緩めたり強めたりを繰り返した父の故金正日総書記と異なり、金正恩氏は放任主義を続けてきた。この間、「トンジュ(金主)」と呼ばれる新興富裕層の存在感はいっそう大きなものとなり、彼らなしでは北朝鮮の経済は成り立たなくなっている。

北朝鮮で民主化が起きるなら、虐げられた民衆が暴政を倒す「革命」として実現するのが望ましいと思ってきた。政治犯収容所などにおける現在進行形の人権侵害を止めるには、それしか方法がないからだ。

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しかし、北朝鮮の体制はそれほどやわではない。民衆が本気で権力に歯向かう兆候を見せたら、当局はすぐさま残忍に弾圧してしまうだろうことを、歴史が証明している。

その一方、北朝鮮の体制は「利権」の浸食にめっぽう弱い。北朝鮮社会では、当局の各部門が持つ大小様々な権限が利権化している。北朝鮮経済は、利権の集合体であると言っても過言ではないほどで、その仕組みは「ワイロ」という名の潤滑油で回っている。軍隊の中にすら、同じような仕組みが存在するほどだ。

ただ、国際社会による経済制裁に頭を抑えられているため、その仕組みはなかなか大きく成長することができなかった。しかし、ここで制裁が緩和されたらどうなるか。韓国や中国から流れ込む投資は、北朝鮮の経済の成長を促し、同国の人々が見たこともないような巨大な利権を生み出すだろう。また、利権の数自体も爆発的に増え、利害関係の錯綜も複雑さを増す。もはや、ひとりの独裁者の権力の下に、すべての利害を従えることなど不可能になるのだ。

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そして、無数の利害関係を最大公約数的に調整する多数決の仕組み――つまりは民主主義が必要になるわけだ。

いずれにしても、北朝鮮経済のなし崩し的な資本主義化の流れは止まらない。あの国は遅かれ早かれ、上述したような道を辿る。もしかしたら今回の首脳会談が、その号砲を鳴らしたと歴史に書かれる可能性があるということだ。