男性の「密かな楽しみ」が値上がりする、北朝鮮のエンタメ事情

北朝鮮でUSBメモリが値上がりしているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮のある若者が「USBメモリの需要が非常に高く、カラの4GBのUSBメモリの値段は市場で26,000ウォン程度だ」と述べているという。北朝鮮の市場でのコメ1キロの価格がおおよそ5,000ウォン(約60円)だから、それなりに高級品といえる。さらに、コンテンツ入りのUSBメモリだとさらに価格が高くなるというが、一体どのようなコンテンツが入っているのだろうか。

「独自撮影」で銃殺

2000年以降、北朝鮮では韓流が密かに広まりはじめた。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

CDやDVD、ハードディスク、SDカードなどの記録メディアの発展、さらにはノートテルというポータブル再生機の普及とともに、韓流をはじめとする海外コンテンツは瞬く間に北朝鮮国内で拡散した。

こうした状況に対し、北朝鮮当局は韓流コンテンツの摘発を担当するタスクフォース「109常務」を組織し、厳しく取り締まってきた。時には韓流の動画ファイルを保有していたという容疑だけで、女子大生を拷問し悲惨な末路に追い込んだ。

老若男女問わず、韓国と同じ言語を使う北朝鮮で韓流コンテンツに人気が集まるのは当然といえるが、男性たちに人気があるのはやはりアダルト動画だった。

RFAに対して、昨年韓国に入国した脱北者のある男性は、「韓流映画やドラマ、そしてアダルト映像が入っているUSBは格段に価格が高くなる。とりわけ10代の若者たちと大学生たちは、友人同士でアダルト映像をよく見る」と伝えた。

いくら情報が厳しく統制されているといっても、また、バレたら罰を受けることを知っていようとも、やはり北朝鮮の男性もポルノを見たいという欲求は抑えられないようだ。2017年には、有名芸術団メンバーが公開処刑されたが、理由は自分たちでポルノ映像を撮影したことがバレたためという説もある。

筆者はある脱北者の男性から次のような言葉を聞いたことがある。

「1990年中頃、欧州から受け入れた廃棄物のなかにビデオテープがあった。もしやと思って持ち帰って再生したら案の定『洋モノ』のポルノだった。北朝鮮の男性はポルノ好きですよ(笑)」

北朝鮮の一般家庭にもノートPCや、デスクトップPC、そして先述のノートテルが相当普及している。これらのハードのほとんどには、USBポートが設けられている。

北朝鮮当局は一時期、USBポートを強制的に全て塞ぐよう措置を取ることを検討したとの説もあるが、全てのPCを検閲するのは事実上不可能だ。今後も韓流コンテンツをはじめとする海外コンテンツが、USBや他のデジタルメディアを介して、北朝鮮国内で拡散する現象は止まりそうもない。

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