韓国専門家「わが国海軍は日本の相手にならない」…そして北朝鮮は

韓国紙・世界日報の軍事専門記者であるパク・スチャン氏が同紙1日付(インターネット版)で、険悪な日韓関係を巡って次のように書いている。

北朝鮮の方が「謙虚」

「一部には、世界各国の軍事力レベルを分析するグローバルファイヤーパワー(GFP)が昨年『2018年 潜在的な戦争遂行能力』で韓国を136の評価対象国のうち7位、日本を8位としたことを根拠に、韓国の軍事力が強いと主張する向きがある。 このような主張は誤ったものである。島国である日本の特性を勘案すれば、韓日両国の海軍力の比較が優先事項だ。海軍力から見たとき、韓半島周辺海域での主導権争いが本格化したら、韓国は日本の相手にならない」

パク氏がこのように述べる根拠は、韓国と日本の国力の差、海軍(海上自衛隊)の戦力差が土台になっている。そのぐらいのことは、ネット上でデータを比較すればわかることなので、ここで縷々説明する必要はないだろう。

それより気になるのは、北朝鮮による世論操作だ。日本の軍事力に対する論評で言えば、パク氏が指摘するような韓国の「一部」よりも、北朝鮮の方がよほど「謙虚」だ。

核兵器を除いた北朝鮮の実際の軍事力を考えれば、それも当然なことかもしれない。しかし、彼らがこのような論調を展開するとき、そこにより具体的な目的が隠されている場合も少なくない。

北朝鮮の韓国向け宣伝サイト「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は4日、日韓の「レーダ照射」問題でこじれた日韓関係についての論評を掲載し、日本を「民族の団結を阻む、がん的存在」だと指摘。「全同胞は日本反動らの対朝鮮敵視政策と再侵略野望を断固粉砕すべきだ」と呼び掛けた。

韓国に「ゆさぶり効果」

文字通りの意味で解釈すれば、これは韓国への対日共闘の呼びかけだ。だが、こうした宣伝戦が何らかの効果を生む場合、真っ先に見えてくる現象はむしろ、韓国内の左右対立の激化だろう。

対日関係や対北関係について、韓国社会での意見の違いを極めて大雑把に色分けすれば、日韓関係の悪化を懸念する人々の中には、北朝鮮に強い不信感を抱く保守派が多い。一方、北朝鮮の宣伝に乗りやすい人々の中には、ナショナリズムに流されやすい向きが多いと言えるかも知れない。

日韓関係がいま以上に悪化し、日本に対してストレスを感じる人が増える一方で、北朝鮮と韓国の接近が続けばどうなるか。北朝鮮の宣伝戦に、一定の共感を覚える人も増える可能性がある。そうなれば、そうした人々と保守派の間で葛藤が深まる。北朝鮮としてみれば、韓国内のシンパを動かして、「敵」である保守派を攻撃できるというわけだ。

もちろん、現実はそう単純ではないだろうが、北朝鮮は長らくこのような「絵」を描き、韓国社会への揺さぶりを続けてきたのだ。そして文在寅政権が誕生し、金正恩党委員長が対話路線に舵を切って以降、その効果は高まっているように見える。

筆者はどんなに日韓関係が悪化しても、軍事衝突まで行くようなことはないと信じている。それよりはよほど、北朝鮮による宣伝戦の方が気がかりなのだ。

    関連記事