「キムチの下に少女を埋めた」暴行殺人犯に無期懲役の判決

北朝鮮では近年、国際社会の制裁のしわ寄せ生活が苦しくなっているせいか、治安の悪化が伝えられている。生活苦に追い詰められた人が犯罪に走る例がある一方で、弱い立場の人々を毒牙にかける悪人もいる。

息子が通報

同国の北東部、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の端川(タンチョン)市で昨年12月24日、多くの住民が見守る中で公開裁判が行われた。裁かれたのは例えば、地元の鉱山で採掘された鉛や亜鉛を密売した労働者たちで、いずれも懲役刑が言い渡された。

この鉱山では昨年11月にも、鉱山労働者を含む30人を対象にした公開裁判が行われるなど、治安の悪化、不正行為の蔓延が顕著になっている。

しかしこの日、裁判を見守る住民たちの関心は、ひとりの殺人犯に集中していた。鉱山の坑道の管理担当者だったこの男は、少女を含む3人の女性を、性的暴行を加えた末に殺害。自宅のキムチの甕(かめ)の下に遺体を埋めていた。その極悪非道な行いは2年余りにも渡ったが、実の息子の通報により逮捕されたのだ。

犯行が露呈するのに時間がかかったのは、男が身寄りのないコチェビ(ストリート・チルドレン)を狙ったからだ。北朝鮮当局は最近、孤児院の環境改善に力を入れているもようだが、少し前まで、その内情は劣悪そのものだった。

施設での虐待から逃れるため、脱走を繰り返すコチェビも多くいたと言われ、そのような少年少女が犯罪者の格好の標的となってしまったのだ。

コチェビの中には、生き延びるために窃盗などの犯罪に手を染め、半グレからヤクザに「成長」していく例も見られるとされる。それでも生き延びられたのなら、まだマシな人生と言えるのかもしれない。

前述したとおり、北朝鮮当局は最近、孤児たちの処遇改善に力を入れているとされ、一部で成果が上がっている様子も伝えられている。金正恩党委員長の政権の特徴のひとつは、同氏の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長をはじめ、女性幹部の活躍が著しいことだ。

男尊女卑の激しい北朝鮮では、かつてなかったことだ。もしかして児童福祉の改善にも、このような特徴が影響しているのだろうか。仮にそうなら、金正恩氏のリーダーシップの肯定的側面であると評価できるだろうが、これまでの状況が状況だっただけに、行くべき道はまだまだ長いと見るべきだろう。

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