朝鮮日報によると12月5日、ソウルの成均館(ソンギュンガン)大学の講義室で学生3人が「金正恩国務委員長のソウル訪問を歓迎します」と書かれたプラカードを掲げ、さらにその動画をフェイスブックにアップした。学生たちは、「白頭称賛委員会」という組織に所属しているという。北朝鮮では金日成主席を始祖とする血脈を「白頭の血統」という。名前からして、金正恩独裁体制を礼賛する団体であることは明らかだ。
学生3人は「花の波実践団」と名乗り、成均館大学をはじめ、梨花(イファ)女子大、弘益(ホンイク)大、ソウル市立大などを訪れたが、一般の学生からはこうした動きに反発する声が出ているという。とりわけ名門である梨花女子大では、「金正恩国務委員長ソウル訪問梨花女子大歓迎委員会(以下、梨花女子大歓迎委)」という団体が活動しているが、ほかの学生たちからは「学校の名前を売らないで」との批判が上がっている。
梨花女子大生たちが反発するのも当然だろう。韓国内でも北朝鮮の人権侵害、とりわけ女性に対する虐待の横行は既に広く知れ渡っている。
(参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む)金正恩体制下で今も多くの民衆、彼女たちにしてみれば同胞の人権が侵害されていることはある程度知っているだろう。南北融和も重要であるとはいえ、独裁者を素直に歓迎するわけにはいかないと考えるのは当然だ。