「弁護士は万年筆で私を暴行した」北朝鮮女性、性的被害の実態告発

国連総会が17日の本会議で採択した、北朝鮮の人権侵害に対する非難決議は、同国において拷問や非人道的な待遇、性的暴行、公開処刑などが横行している実態とともに、同国当局がそれらに対して必要な措置を講じていないことに向けられたものでもある。

性的暴行は、北朝鮮においてももちろん犯罪だ。北朝鮮政府は2017年7月、国連女性差別撤廃委員会に対する報告で、強姦罪での処罰者数を2008年9人、2011年7人、2015年5人、上下関係を利用しての強姦の処罰者数を2008年5人、2011年6人、2015年3人などと報告した。

総人口が日本の約5分の1(約2500万人)の社会において、この数字はあまりに少ない。実際、人権NGOなどが聞き取った脱北女性の被害証言だけでも、この数字を軽く超えてしまうはずだ。

このように摘発事例が少ないのは、性暴力を取り締まる側の保安員、保衛員などが加害者になっているために他ならない。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が10月31日に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」。報告書で最も多くのページを割いて伝えているのは、北朝鮮の拘禁施設における女性に対する性暴力だ。さらには性的な被害に遭った女性の置かれた、あまりに救われない状況についての証言もある。

例えばある女性は、次のように語っている。

「弁護士は私から調査を行いつつ、万年筆でメモを取っていました。時々手を止めて、万年筆や手で私の体のあちこちを突きました。腕と胸と…抱きついてきたこともありました…不愉快で当惑しましたが何も(抵抗)できませんでした」

ちなみに北朝鮮の弁護士は形ばかりのもので、被告の利益を保護するのではなく、検察や裁判官と共に被告を非難することすらある。

北朝鮮政府はこのような証言について、一貫して「でっちあげ」であるとの反論を行っている。本当にそうならば、国連報告者の訪問を許可し、国内での調査を受け入れれば良いのだ。

北朝鮮国内にも、このような現状を放置すべきではないと考えている官僚もいるだろう。人権問題は、特定の体制を非難するために提起されているわけではない。人権を重視する体制こそが国際社会で尊重されるのだ。金正恩党委員長は自らの体制を守りたいなら、自分の権力維持と人権とを両立させる方法でも考えてみたらどうか。

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