真夜中に連れ去られた家族…北朝鮮の「収容所送り」はこうして行われる

先月15日の午前2時ごろ、国家保衛省(秘密警察)や炭鉱付属の保衛部の要員ら6人が地区のある民家を急襲した。この家には、炭鉱で信号手(トロッコの運行や坑道の発破などを伝える職種)として勤める女性、美術員(プロパガンダ用の絵を描く職種)として働く弟、そして年老いた父母の4人が暮らしていた。

この一家は首都・平壌の出身だが、7年前にこの地に追放され、保衛部の厳しい監視のもとに置かれてきた。女性には夫がいたが、追放時に離婚し、弟は未婚だ。

家に踏み込んだ保衛員らは、家族にすぐに外に出られるように服を着替え、胸に付けられた肖像徽章(金日成主席、金正日総書記のバッジ)を外すよう命じた。そして、一列に正座させ、国家保衛省の逮捕命令書を読み上げた。

ところが、女性の行動が大騒ぎへと発展した。

女性は、早々に服を着替えてバッジを外し、寝室から3つの額縁を持ち出した。「将軍様は家族」「将軍様に従い千万里」「忠誠の一本道へ」という毛筆の書が収められたもので、女性はそれらを持っていくと言い出したのだ。

女性を集団で…

通常、管理所に連行する場合にはある程度の日常品の携帯が許されるが、この家族にはどういうわけか少量の塩を除いて一切の荷物携帯が許されなかった。保衛員との間でもみ合いとなり、その過程で紙は破れてしまった。