美人被疑者と「同伴外出」を繰り返した刑務所長の悪行

薬物犯罪に関連した容疑で逮捕された女性収容者と不適切な関係を結び、その見返りに便宜を図っていた北朝鮮の刑務所長が解任される事件が起きた。北朝鮮の拘禁施設ではこのように、権力者の女性収容者に対する性的暴行が横行している。

(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が10月31日に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」が最も多くのページを割いて伝えているのは、北朝鮮の拘禁施設における女性に対する性暴力だ。

その内容はまさに「やりたい放題」と表現すべきもので、愕然とさせられる。

(参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言を読む

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、今回の事件で解任、更迭されたのは穏城(オンソン)郡労働鍛錬隊のA隊長(刑務所長)だ。

労働鍛錬隊とは、罪状が比較的軽い犯罪者を収容する刑務所だが、最近では、保安署(警察署)が予審(起訴前の段階)を始める前に被疑者を収容する施設、つまり拘置所としても使われている。

30代女性のBは、覚せい剤を製造し中国に密輸する組織に加担した容疑で逮捕されたが、本格的な取り調べを控え、労働鍛錬隊に一時的に収容されていた。Bは「この女性は誰が見てもずば抜けて美しく、目立つ容貌の持ち主」(情報筋)だという。

この覚せい剤事件を巡っては、有力者の関与が取り沙汰されており、保安署は事件の処理を巡って頭を痛めていたが、捜査が進み、Bの取り調べを行うことになった。ところが、労働鍛錬隊の中にBの姿がなかったため、大騒ぎになった。

Bは労働鍛錬隊の近くで発見され拘束されたが、取り調べの過程で、隊長から「言うことをよく聞けば釈放してやる」と持ちかけられ、性的関係を強いられていたことが発覚した。そればかりか、隊長はBに外出許可を出し、さらには複数回にわたり「同伴外出」していたことも、住民の証言で明らかになった。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

以前から「女性収容者と複雑な関係を結んでいる」との噂が絶えなかったというこの隊長だが、先月20日に解任、更迭されてしまった。被疑者に不適切な関係を強いたことから、処罰は免れないだろうと情報筋は見ている。

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