今年だけで首脳会談を3回も行い、北朝鮮との友好ムードを盛り上げてきた韓国の文在寅政権だが、北朝鮮側はここへ来てやや熱が冷めてきたように見える。

韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙報道官は26日の記者会見で、北朝鮮の金正恩党委員長の訪韓時期について、「さまざまな可能性をすべて踏まえて議論中」と述べ、今のところ見通しが立っていないことをうかがわせた。

金正恩氏は、9月に平壌で行われた南北首脳会談で、近いうちに韓国を訪問する意向を表明。韓国政府は当初、年内の訪韓実現を目指していた。

しかし、9月から金正恩氏訪韓の準備を行えば、どんなに急いでも12月にはなる。ハッキリ言って、12月に金正恩氏がソウルを訪れるなど不可能だ。なぜなら毎年12月には、国連総会で北朝鮮における人権侵害を非難する決議が採択されているからだ。

決議案は今年も日本と欧州連合(EU)から提出され、今月15日には国連総会第3委員会で採択された。国連総会本会議では来月12日に採択される見込みだ。

これに対し、北朝鮮は例によって猛反発している。

(参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」被害女性の告発に北朝鮮反発

対韓国宣伝ウェブサイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は27日、「卑劣で幼稚な政治的陰謀の産物」と題した論評を掲載。日米やEUを激しく非難したのに続き、韓国に対しても「同族を陥れる『決議案』ねつ造に『共同提案国』として首を突っ込み、採択後には『歓迎』を云々しながら今回の反共和国『人権』騒動に便乗した南朝鮮当局には、正気かと問わずにはいられない」とけん制した。

経済や国民生活の不安が増す一方の韓国国内では、文在寅政権の支持率が下落の一途を辿っている。韓国の世論調査会社、リアルメーターが26日に発表した文在寅大統領の支持率は、前週より1.7ポイント低い52.0%となった。8週連続の下落で、就任後最低を更新した。

当初から「経済オンチ」と批判されてきた文在寅政権は、「積弊清算」という保守派叩きと、北朝鮮との対話ムードで支持率を保ってきた側面が大きい。

最近では、北朝鮮の鉄道連結に向けた北朝鮮区間の共同調査について、国連安全保障理事会と米国から「制裁違反に問わない」との言質を得るため全力を挙げてきた。これは上手く行き、安保理と米国の両方からお墨付きを得た。

そして26日、韓国政府は満を持して北朝鮮に実施日程を提案したのだが、昨日の時点で北朝からの返答はまだないという。

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