中国国内のサウナで、北朝鮮の女性らの働く姿が頻繁に目撃されていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。中国のサウナは、一部で様々な性的サービスが行われていることが広く知られている。北朝鮮女性たちがこうした性的サービスに従事させられていたとしても、決しておかしくはない。

北朝鮮当局は、外貨稼ぎのため中国に多くの若い女性たちを送り込んでいる。こうした北朝鮮の「美女派遣ビジネス」で有名なのが、北朝鮮当局が世界各国で展開する北朝鮮レストラン、通称「北レス」だ。

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北レスの存在は、 2016年4月に起きた中国浙江省寧波市の北レス「柳京食堂」従業員らの集団脱北事件で広く知られるところとなった。この事件を巡っては、韓国の情報機関が関与していたという証言もあるが、まだまだ全容が明らかになったとは言えない。

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この事件発生と前後して、国際社会は北朝鮮の核・ミサイル開発に対する圧力を強めた。中国も国連安全保障理事会の制裁決議の履行をアピールするためか、昨年9月から120日以内に北朝鮮企業と合弁企業を閉鎖すると決めていた。これを受け、同国内の北レスも閉店が相次いだ。

中国の措置により、北朝鮮当局の外貨収入が減少したことは言うまでもない。こうした苦しい状況を乗り切るため、北朝鮮当局は新たに中国に美人女子大生を派遣するなどして糊口をしのいできた。しかし、今年だけで3回も行われた金正恩党委員長と習近平国家主席との会談や、さらには米朝首脳会談の実現を経て、制裁はかなり緩和されつつあるようだ。

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サウナで働く女性が増えているのも制裁緩和を示すものかもしれないが、彼女たちがどのようなサービスを行っているかが気になる。RFAの情報筋によると、北朝鮮女性が働くのは近代的な設備を備えた高級サウナだという。

「サウナは3階建ての建物だ。1階は平壌冷麺をはじめとする朝鮮料理を出す食堂(北レス)で、ここでも北朝鮮の女性たちが歌や踊りを交えたサービスを行っている」(RFAの情報筋)

RFAの情報筋は、彼女たちが歌や踊り以上のサービスを行っているのかについては語っていないが、「3階建ての建物」というのが気になる。というのは、かつて中国・上海の北レスの建物の上階にはVIPルームが設けられており、美貌のウェイトレスたちが、馴染み客の性的接待、すなわち売春を強要されていたとの情報があったのだ。

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冒頭で述べたように、中国の一部のサウナでは違法な性的サービスが横行していることから、北朝鮮女性たちが理不尽なことを強要されている可能性は十分ある。RFAの情報筋も、「女性たちは24 時間交代制でいろいろと雑用をしているが、給料は全額、責任者に支払われる。外貨稼ぎのために利用されている」と述べている。

今年に入り、韓国をはじめ国際社会の北朝鮮に対する姿勢はいくぶん融和的になりつつあるが、それが結果的に北朝鮮女性の人権侵害を助長する結果になっていないかどうかも、国際社会が関心を払うべき問題と言えるだろう。