北朝鮮国営の朝鮮中央通信は27日、米バージニア大学生のオットー・ワームビアさん(当時22)が北朝鮮で約1年半にわたり拘束され、昨年6月に昏睡状態で解放された直後に死亡した問題で、「米国内で真実がわい曲されている」とする平壌親善病院院長の主張を伝えた。

この問題を巡っては、2014年からワームビアさんの歯の治療に当たっていたタッド・ウイリアムス博士らが10日、北朝鮮から帰ってきたワームビアさんの歯列が大きく変形しており、外部から物理的な力が加えられた可能性があるとする陳述書を、ワシントンDCの連邦地裁に提出している。陳述書に添付された写真を見ると、ワームビアさんの下の歯列の中央の2本の歯が、不自然に口の内側に移動しているのがわかる。

(参考記事:北朝鮮が拷問か…死亡の米大学生の歯列変形。米メディアが写真公開

ワームビアさんの両親は4月26日、息子は北朝鮮の金正恩政権から「残酷な拷問を受けて殺害された」として、北朝鮮を相手取り、連邦地裁に損害賠償訴訟を提起している。連邦地裁が「拷問はあった」と認定するようなら、非核化を巡って進行している米朝対話にも影響が及ぶ可能性もある。

これに対して、北朝鮮でワームビアさんの治療に当たったとする平壌親善病院の院長は、「拷問の証拠を探すためにくまなく調べたがいかなる証拠も発見できなかった」などとする米メディアの報道を引用して反論している。

参考までに、朝鮮中央通信の記事全文(日本語公式訳)を以下に掲載するが、ハッキリ言って具体性に欠けている。北朝鮮当局が自国民に拷問を加えているとする証言は数多くあり、また一部の外国人が北朝鮮国内で拷問を受けたと証言してもいる。

(参考記事:「性拷問」の証言も…北朝鮮は「外国人人質」に何をしているのか

そのような状況を踏まえたとき、連邦地裁が北朝鮮に厳しい判決を下す可能性は小さくないと言えよう。

平壌親善病院の院長が米国内でワームビアの死亡に関連して真実がわい曲されていることに憤激

【平壌10月27日発朝鮮中央通信】平壌親善病院の院長は、最近、米国内で米大学生ワームビアの死因に関連して真実をわい曲する主張が出ていることで27日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

米大学生ワームビアは2016年1月、わが国で反朝鮮犯罪行為を働いたことで労働教化中にあったが、2017年6月に病保釈で釈放され、米国に帰って死亡した。

しかし、去る10月10日、ワームビアの健康検診と治療に介入したというワームビアの主治医をはじめとする数人の医師が検診結果「ワームビアの歯に外部の物理的力が加わって位置が変更され、歯茎の骨が損傷を被ったという結論に至った」として、「ワームビアが拷問によって死亡した」という内容の「医学的所見」なるものを首都ワシントンにある連邦地裁に提出したという。

そのうえ、米国連大使ヘイリーまで「ワームビアが拷問によって死亡した所が北朝鮮であり、それは邪悪な行動であった」という妄言を吐いたという。

ワームビアを直接治療した病院の院長として、米国内でワームビアの死亡に関連して真実が完全にわい曲されていることに憤激せざるを得ない。

ワームビア自身も自ら記者会見で自認したように、彼が反朝鮮敵対行為を働いた犯罪者であるが、わが病院では人道的見地から彼が米国に戻る時まで誠意をこめて治療してやった。

われわれがワームビアを送還する当時、彼の生命指標が完全に正常であった事実はワームビア送還のためにわが国に来た米国の医師らも認めたし、彼の健康状態に関するわが病院の医師らの診断結果に見解を同じくするという確認書をわが病院に提出したし、その確認書は今もそのまま保存されている。

米紙「USAトゥデー」2017年6月21日付の記事によると、米シンシナティ大のある脳神経医師はワームビアに対する医学的検査を通じて骨が折れたり、臓器が損傷されるような肉体的虐待を受けた痕跡がないことが確認されたと述べ、ワームビアが良好な栄養状態で帰国したことを確認した。

また、米NBC放送が2017年9月27日に報じたところによると、ワームビアに対する検視を行った米オハイオ州のある検視官も報告書を通じて拷問の証拠を探すためにくまなく調べたがいかなる証拠も発見できなかったし、法医学歯科医らがワームビアの歯を見た結果、外傷がある証拠はなかったと証言したという。

ワームビアの死因を巡って米国の一部の医師らが、今の時点になって他のことを言っている目的が何であるかということである。

医師の医学的評価は客観的で正確でなければならず、いかなる利己的目的や政治的利害関係の影響を受けてはならない。

真実を重視する人なら、むしろ釈放される時まで生命指標が正常であったワームビアがなぜ米国に到着するやいなや、急死したかに対する調査を求めるべきであろう。

わが共和国は、過去も現在も教化人を国際法と国際的基準に準じて待遇している。---