手錠をはめた女性の口にボロ布を詰め…金正恩「拷問部隊」の鬼畜行為

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先月末、中国との国境に面した北朝鮮・咸鏡北道(ハムギョンブクト)に住む30代の女性、キムさんは、脱北を試みて失敗し、現地の郡保衛部(秘密警察)に逮捕されてしまった。

その後、留置場内でケガを負ったキムさんを、保衛部は病院に搬送。知らせを受けた家族は病院へ見舞いに行き、弁当を差し入れた。数日後、病院から弁当箱を返された家族は、その中に隠されていた紙片を見て驚愕し、怒りに震えた。

そこには、留置場内で2人の戒護員(留置担当者)から性的暴行を受け、ひどいケガをさせられた経緯が書かれていたのだ。しかも戒護員らの手口は、キムさんに手錠をはめ、口にはボロ布を詰め込んで乱暴するという、まさに鬼畜と言うべきものだった。

(参考記事:女性に「手錠と猿ぐつわ」で強姦…北朝鮮「秘密警察」の極悪手口

北朝鮮の拘禁施設内においては、このような性的虐待が長らく横行してきた。

また拘禁施設だけでなく、軍隊のような閉鎖的な組織内においても、女性は性犯罪の標的にされてきた。

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しかしこのような行為は、北朝鮮においても明確に違法であり、重罰の対象となる犯罪である。北朝鮮の行政機関、そしてその上に君臨して国家を統治する朝鮮労働党には、こうした犯罪の根絶に取り組むべき義務がある。

現にデイリーNKの内部情報筋によれば、金正恩党委員長は2016年の末から翌年初めにかけて、職権を乱用して金儲けをするな、住民に対する暴行、拷問などの人権侵害をやめるようにとの指示を下したと伝えられている。

しかし現場では、この指示が徹底されているとは言えないようだ。

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キムさんの家族は、留置場での犯罪行為を保衛部の上級機関に告発しようとした。それを知った郡保衛部は、「事件が道保衛部に移管されたら、(脱北の取り調べで)もっと苦しいことになる」と脅迫し、「3万元(約48万7000円)を支払えば、病気扱いにして釈放してやることもできる」と懐柔しようとしたという。

郡保衛部は、金正恩氏の指示に背いた罪で処罰されるのを恐れ、隠蔽に走ったのだろう。それと同時に、これをネタにしてカネをせびり取ろうとしたのだ。

家族は結局、上部機関への通報を諦め、キムさんを守るために3万元を用意するために駆けずり回っているとのことだ。脱北は、射殺されてもおかしくないほどの重罪であることを考えると、カネを払ったほうが得策と考えたようだ。しかしこれでは、泣き寝入り以外の何物でもない。

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このように、保衛部がいまだ人権侵害を続けられるのも、金正恩氏が自らの権力を維持するため恐怖政治に依存しているからだ。保衛部は金正恩氏の「拷問部隊」として、恐怖政治の柱となってきたのである。

結局のところ、北朝鮮の人権侵害の原因は、ほとんどが恐怖政治に帰結する。金正恩体制の終焉なくして、北朝鮮における人権状況の改善は望めないのだ。