金正恩命令そっちのけで「愛の行為」にふける…北朝鮮国民の強まる欲望

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北朝鮮では、最高指導者の名誉や権威を傷つけたり、またはその直々の命令をおろそかにしたりすると「1号事件」として捜査や調査が行われ、関係者に厳罰が下される。もちろん、国民はそのことを良く知っており、うっかりタブーを犯さないよう、言動に細心の注意を払っている――はずだった。

ところが最近、この「絶対に起きてはならない事件」が続発している。

咸鏡南道(ハムギョンナムド)楽園(ラグォン)郡にある朝鮮人民軍(北朝鮮軍)海軍の東海艦隊司令部第597連合部隊では8月下旬、白頭山(ペクトゥサン)拳銃1丁がなくなっていることがわかった。

白頭山拳銃とは、1970年代にチェコのCZ-75を模倣して作られた口径9ミリの自動拳銃で、銃身には金日成主席の直筆を模した「白頭山」という文字が刻まれている。金日成氏は、軍幹部の労をねぎらうために白頭山拳銃をプレゼントしていたが、今回なくなった拳銃も最高指導者からの贈り物だったのだ。

また9月2日には、両江道(リャンガンド)の金亨稷(キムヒョンジク)郡で、金日成主席と金正日総書記の巨大な太陽像(モザイク壁画)を照らす照明が消える「事件」が発生したが、警備担当者の男女が持ち場を離れて友人宅で「男女の行為」に及んでいたらしきことが判明し、2人は取り調べを受けている。

(参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

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さらに遡れば、3月には軍の大佐が、国の重要施設に「落書き」をしたことが発覚し、処刑される出来事があった。平壌の情報筋デイリーNKの電話取材に対し、次のように説明した。

「軍作戦局上級参謀の大佐ともうひとりが3月末、平壌郊外にある姜健(カン・ゴン)総合軍官学校で、自動小銃で銃殺された。4・25文化会館などで体制に反対する内容の落書きを行った疑いを受け、容赦なく殺された」

こうした1号事件は、過去にももちろん起きている。しかし金正恩体制がスタートして以降、人々はそれ以前にも増して、恐怖政治に震えるようになった。気に入らない側近らを文字通り「ミンチ」にするような方法で殺したり、銃殺されたスッポン養殖工場の支配人の動画を公開したりと、金正恩氏が自らの残忍さをアピールした結果であることは明らかだった。

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しかし最近は、そのような残酷な処刑が行われたというニュースは聞こえてこない。米韓との対話路線に舵を切った金正恩氏が、自分の対外的なイメージを気にしているのは明らかだ。そしてそのために、北朝鮮国民にも「気の緩み」が出ているのかもしれない。

仮にそうなら、大いに結構なことだ。国民の気が緩み過ぎたと思ったら、北朝鮮当局は、締め付けを強めようとするだろう。しかし、人間がいったん心で味わった自由は、外からの締め付けで完全に消すことはできない。むしろ、自由に対する欲望はいっそう強まる。

金正恩氏は「偉大な指導者」として果敢に対話に臨み、自らの体制を守ろうとしているのだろうが、その取り組みが自分の足場を少しずつ狭めているということを理解しているのだろうか。