「彼(金正恩氏)とあいさつを交わしながら、目についたのが彼の顔の色だった。顔が黒く日焼けしていたのだ。一国の首脳の顔が、なぜ日焼けしているのか」

18日から20日にかけて、韓国の文在寅大統領に随行して北朝鮮を訪問した鄭東泳(チョン・ドンヨン)民主平和党代表は帰国後、韓国メディアに対し金正恩党委員長の第一印象をこう語った。

言われてみれば、たしかにそうだ。以前は色白のぽっちゃり型だった金正恩氏が、いかつい「ガングロ」に変身している。

(参考記事:金正恩氏のいかつい「ガングロ写真」と色白ぽっちゃり時代

理由は、金正恩氏が6月末から8月中旬にかけて集中的に行った経済部門の視察にある。この間、金正恩氏は全国各地を訪れ、時には危険が指摘される工事現場で「恐怖写真」も撮りながら、現場を叱咤激励して回った。

朝鮮労働党中央委員会は4月20日に平壌で行われた第7期第3回総会で、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を停止するとの決定書を採択。同時に、今後は経済建設に注力するとの方針を示した。

金正恩氏は総会で行った演説で「人民経済の主体化、現代化、情報化、科学化を高い水準で実現し、全人民に何うらやむことのない裕福で文化的な生活を与える」との目標を掲げた。これは金正恩氏にとって、非常に重い課題である。

金正恩氏が経済部門の視察に力を入れるようになったのも、この宣言に基づくものだ。現場では、担当幹部を激しく叱ることも珍しくない。金正恩氏は2015年8月、スッポン養殖工場の管理状態が「なっていない」と激怒し、支配人を処刑してしまったことがある。

それを知る各現場の担当幹部たちは、さぞや生きた心地がしないだろう。

金正恩氏が「ガングロ」になったのは、経済発展にいかに注力しているかを示すものなのだ。もしかしたらそれは、単なる「ポーズ」なのかも知れない。しかしそうであったにせよ、金正恩氏は今後の国の方向性を国民に示すため、炎天下での視察を繰り返し、「ガングロ」になる必要があったのである。

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