金正恩夫妻「過去の異性スキャンダル」を巡る重大疑惑

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トランプ米大統領から最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏(53)が、2人の女性から過去の性的暴行を告発され、苦境に立たされている。わいせつ行為が事実か否かはこれから判断されることになるが、問題とされているのは高校・大学時代の話だ。30年以上も遡って「適性」の検証が行われる米国の民主主義には、やはり重いものがあると感じざるを得ない。

その点、金正恩党委員長はどうか。言うまでもなく、北朝鮮には民主主義などないし、独裁者が「適性」を公に検証される機会もない。だが、これから北朝鮮と親しく付き合っていこうというトランプ政権や韓国の文在寅政権は、過去の検証なしに金正恩氏を受け入れて本当に良いのか。

これまでの北朝鮮の歴史で金王朝が犯した非道と破廉恥の多くは、祖父・金日成主席と父・金正日総書記の時代に行われたと認めるとしよう。

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かの有名な「喜び組」もやはり、金正日総書記の時代のものだ。

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しかしそれでも、金正恩氏に罪がないと認めることはできない。彼自身にも「パーティー狂い」の噂はある。

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またそれ以上に、現在の妻・李雪主(リ・ソルチュ)夫人のスキャンダルに絡み楽団員らを虐殺したとする説が、彼の人間性を疑う重大な疑惑として存在している。

李雪主氏はかつて、銀河水(ウナス)管弦楽団という楽団に所属していた。金正日氏によって2009年に創設された同楽団は、精力的に公演活動を行っていたが、2013年に突如として解散させられる。

昨年8月31日、脱北者で韓国紙・東亜日報の名物記者でもあるチュ・ソンハ氏自身のブログで興味深い記事を公開した。李雪主氏が金正恩氏のパートナーとして選ばれた際、銀河水管弦楽団の同僚や友人ら数人が、彼女に「元カレ」がいたことを示す「証拠写真」を回し見した。これが、北朝鮮当局の知る所となり、公開処刑にまで発展したというのだ。

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しかも、芸術団メンバーらはきわめて残忍な方法で殺され、当局はその様子を、射撃場に集めた芸術関係者数千人に見せつけた。前列で見ることを強要された女性歌手らの中に、失禁しなかった者はいなかったという。

(参考記事:金正恩氏「美貌の妻」の「元カレ写真」で殺された北朝鮮の芸術家たち

民主主義社会では、政治指導者を巡ってこのような話が出ると、ジャーナリストや議会が調査に動き、客観的な証拠があれば真実とみなし、なければ疑惑のまま伏せられることになる。北朝鮮にはそのような仕組みはないから、上記の話も現状では「疑惑」だ。

しかし、例えば今後、北朝鮮と韓国の間で交流が進めば、韓国はじめ民主主義社会の記者たちが、北朝鮮国内の情報にアクセスする機会は広がっていく。そうなれば次第に、この話も真実味を増してくるかもしれない。

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そうなったとき、果たして米国や韓国の指導者は現在と同じように、金正恩氏とにこやかに接することができるのだろうか。