「金正恩を倒せ!」落書き事件続発に北朝鮮が大慌て

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ただでさえ、極めて深刻な事件として扱われる反体制落書きだが、今回は金正恩氏が徹底取り締まりを直接指示するほどの深刻さだ。それは、落書きされた建物が政治的に重要な意味を持つ施設だからだ。

落書きが発見された4.25文化会館は、金日成主席が抗日パルチザンを創設したとされる1932年4月25日を記念してその名がつけられた。金日成広場から北に4キロのところにあり、タワーマンション団地の黎明(リョミョン)通り、金日成総合大学、金日成氏と金正日総書記の遺体が安置された錦繍山(クムスサン)太陽宮殿、大城山(テソンサン)の革命烈士陵へと繋がる、北朝鮮国内でも最も政治的な重要度の高い場所のひとつだ。

また、重要な会議や行事、政治集会、芸術公演が開催される場所でもある。2007年の南北首脳会談に際しては、平壌を訪れた韓国の盧武鉉大統領(当時)を歓迎する式典がここで行われた。36年ぶりとなった2016年5月の第7回朝鮮労働党大会もここで行われた。

そんな建物の壁に反体制的な落書きをするということは、現体制への宣戦布告ともいうべき行為といえよう。