衛星は見ている…金正恩氏がミサイル施設をリゾートに作り替えている

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北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を行った東海岸・元山(ウォンサン)の空港一帯で大規模な工事を行っていることがわかった。リゾート施設の建設を行っているものと見られる。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

VOAは、民間衛星企業のプラネットが11日に撮影した衛星写真を元に分析した結果、一帯の海岸に、半円形の構造物など建物の基礎と思われるものが確認されたと報じた。また、工事用のトラックが行き来しており、青い屋根のプレハブ、工事中の道路なども確認された。工事は今年1月20日前後に始まったものと見られると報じている。

ここは、中距離弾道ミサイル「火星10」(ムスダン)や、短距離地対艦ミサイルの発射実験を行っていた場所だ。昨年3月、運搬中だったミサイルが爆発する事故が起きている。

(参考記事:【画像】「炎に包まれる兵士」北朝鮮 、ICBM発射で死亡事故か…米メディア報道

しかし、ミサイル車両を停車するコンクリート発射パッドも、長射程砲が据えられていた痕跡も消えている。

衛星写真の分析を専門とする米スタンフォード大学のニック・ハンセン客員研究員はVOAの取材に、これは高級リゾート施設の建設を行っていることを示していると述べた。

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金正恩党委員長は、避暑地として知られる元山を国際的な観光地に育成するため、「元山葛麻(カルマ)海岸観光地区」として指定し、国際空港やスキー場など、様々なリゾート施設を建設している。彼がこの地域の開発に並々ならぬ熱意を注ぐのは、次のような理由からだと言われている。

「金正恩氏の生まれた場所は公表されていないが、元山の金正日氏の別荘だという説がある。地元でも『金正恩氏は元山沖の島で生まれた』との噂を誰もが聞いている。それで金正恩氏は、馬息嶺スキー場、国際空港などを建設し、国際観光特区にしようとしているというのだ」(RFAの情報筋)

金正恩氏は、新たな外貨収入源として観光産業を活性化させ、2017年には100万人の観光客を受け入れることを目標として掲げた。しかし、自らが行った核・ミサイル実験が国際社会の制裁を招き、観光産業の育成は半ば頓挫した状態となっている。

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また、北朝鮮を旅行中だった米大学生のオットー・ワームビアさんが当局に拘束され、不可解な死を遂げたことも、間違いなくマイナスに働いている。

ここに来てリゾート施設の工事を始めたのは、今年の4月末と5月に相次いで予定されている南北首脳会談、米朝首脳会談以降、観光産業を本格的に再開させることを念頭に置いたものと思われる。中長期的には、韓国人観光客の懐を狙った戦略とも言えよう。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記