三池淵管弦楽団と美女応援団が、金正恩氏が切った最初のカードだったとすれば、第二のカードは実妹の金与正(キム・ヨジョン)氏だ。故金日成主席を始祖とする金王朝、いわゆる「白頭の血統」の一員が韓国を訪れたのは、史上初である。その金与正氏が、兄の特使として文在寅大統領に訪朝を要請するメッセージを伝えたことは、間違いなく文在寅政権に強烈なインパクトを与えた。
(参考記事:金正恩氏の妹・金与正氏の「恋愛事情」と兄妹の本当の関係)そして、金正恩氏が「第三のカード」として韓国へ送り込むのが金英哲氏だ。しかし韓国では、早くも異論が噴出した。金英哲氏は、韓国独自の制裁対象に指定されているだけでなく、2010年3月に韓国海軍の哨戒艦「天安」が北朝鮮により撃沈された事件、そして同年11月の北朝鮮による延坪島砲撃事件を主導した「強硬派」として知られている。
デイリーNKは2016年、金英哲氏を身近から見た朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元上佐にインタビューした。