「金亨稷(キムヒョンジク)郡の古邑(コウプ)労働者区に住んでいる40歳男性が昨年末、中国にいる娘と電話していたところを保衛部(秘密警察)に逮捕された。『韓国に電話した』とスパイ容疑をかけられ連行されたのだ」
この男性は、5年前に中国に行った娘に送金を頼むため電話をかけたところで逮捕された。保衛部が装備する移動式探知機は3メートル単位で電波の発信源を突き止めるため、5分以上通話することは非常に危険なのだが、募る話があってか、ついつい長電話してしまったようだ。
男性は、壁に霜がついた冷凍庫のような独房に閉じ込められ、足が凍りついて歩けなくなった。それだけでも拷問といえるが、取調官は「南朝鮮に電話したと言え」と暴行を加えた。