迫撃砲弾を年間12万6000発、ライフルの弾薬を年間1億7600万発、そのほかに自走砲の弾薬などを製造してリビア、シリア、イラン、イラク、エジプトに輸出し、莫大な外貨を稼ぎ出していた。金日成氏はこの工場を「軍需産業の母であり、国の宝」として、深く愛していたという。
通常、ミサイル製造は第7総局傘下の工場が行うが、1990年代初頭には26号工場においてもスカッド、火星1、火星2、様々な種類の地対空ミサイルやロケット砲弾を製造していた。
1000人以上がこの工場で働き、父から子、子から孫に引き継がれる巨大な「エンジニア王国」の様相を呈していた。多くの技術者が勲章をもらっていたが、中には最高勲章の金日成勲章を持つ人もいた。
在日組織の幹部が訪問
また、工場は独自の研究所を持っていた。1989年、保衛部はピョ・イリョンという女性研究者をスパイ行為で逮捕した。保衛部によると、彼女は西ドイツを訪れた際にアメリカの諜報機関から軍事機密を提供するようにカネを握らされたというスパイ容疑がかけられた。