大爆発が起きたら、市街地にも被害が及ぶことを恐れてのことだ。一部のドアを締めることに成功したが、その過程で14人が死亡した。
そんな犠牲にもかかわらず、小さなものだった炎があっというまに大きな火柱となり、何度もの爆発を引き起こした。
爆発の衝撃で民家の窓ガラスが吹き飛んだ。発電所にも火の手がおよび、人々は赤い稲妻が空に駆け上るさまを目の当たりにした。
やがて、26号工場から赤いきのこ雲が立ち上がった。住民は敵国からミサイルで攻撃されたものと思ったという。
市の人民委員会の担当者は、スピーカー付きの車で町中を駆け回り、工場から40キロの範囲にいるすべての人に緊急避難を呼びかけた。非番の保安員、保衛員、軍人すべてが非常召集された。