北朝鮮当局は、不足する肥料を補うために、国民に大量の人糞を集めて提出させる「堆肥戦闘」を毎年1月から3月にかけて行なう。提出する人糞は、道端に並べて乾燥させるが、その過程で回虫、蟯虫、十二指腸虫などの寄生虫の卵が、風に乗って人の口に入ってしまう。
また、人糞で作った堆肥を使って栽培した野菜からも感染してしまう。回虫の卵は塩分に強いため、野菜をキムチや塩漬けにしても生き残り、口から体内に入ってしまう。さらに、農村支援戦闘で協同農場の手伝いに駆り出された生徒や兵士が、農作業中に野菜を洗わずに食べてしまうのも寄生虫が広がる一因になっている。
かつては北朝鮮でも、地域ごとに駆虫事業が行われていた。