北朝鮮の市場で中心的存在である女性たちも漁業に参戦。女性の「網元」が日本海で荒稼ぎするケースもある。かつての日本同様、北朝鮮でも女性が漁船に乗り込むことをタブー視する風潮があったのだが、それだけ漁業が稼げるということだろう。
(参考記事: 日本海で大暴れする北朝鮮の「オンナ漁師」たち)庶民にとって漁業はハイリスク、ハイリターンの商売のようだ。金正恩党委員長も、水産関係の企業所や施設を頻繁に視察し、水産業に力を入れるよう檄を飛ばしている。しかし、現場では庶民が粗末な装備で、命がけで漁に出ざるをえない状況にある。金正恩氏は、そのことをどこまで理解しているのだろうか。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。