当時、こうした出来事について北朝鮮の咸鏡南道(ハムギョンナムド)に住む内部情報筋は、「咸鏡南道だけでも漁に出て帰ってこない行方不明者は年間150人以上になる。年末に道の人民委員会と、道の保安局(警察)が集計した数字であり、咸鏡北道(ハムギョンブクト)や江原道(カンウォンド)を含めると数百人以上になるだろう」と述べていた。
(参考記事:北朝鮮、漁船海難事故多発…住民「行方不明者の豊年だ」)遭難事故が起きる理由について、「無理をして操業していることが原因だ」と情報筋は語る。行方不明者の大多数は、個人の木工職人がいい加減につくった小舟レベルの小さな木造船で漁をしていたという。
慢性的な経済難のため、ほとんどの漁民が小さな木造船、それも故障が多い中国製エンジンを積み、通信装置なしで無理な操業をするため、時化やエンジンの故障などで遭難するのだ。今回のケースもこのパターンにあてはまると見られる。